たった1枚のアルバムでその名を歴史に刻みこんだデレク・アンド・ザ・ドミノス
2016年11月9日 更新

たった1枚のアルバムでその名を歴史に刻みこんだデレク・アンド・ザ・ドミノス

奇跡は起こるべくして起こったということでしょう。そして、それは必然でもありました。いくつもの必然が重なり合って奇跡が生まれたのです。「いとしのレイラ」というたった1枚のアルバムを作るために存在した、ロック界最高のメンバーが集ったバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノス!

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「いとしのレイラ」以外に、本作からは1971年に「キープ・オン・グロウイング」とのカップリングで「ベル・ボトム・ブルース」がシングル・カットされています。

Derek & the Dominos - Bell Bottom Blues

ベル・ボトム・ブルース

In Concert

デュアン・オールマンのプレイに大きな感銘を受けたエリック・クラプトンは、その後、デュアン・オールマンにバンドへの加入を正式に要請したものの断られてしまったとのことです。

1971年になると、デレク・アンド・ザ・ドミノスは2枚目のアルバム制作を開始しますが、そのレコーディング中にエリック・クラプトンとジム・ゴードンが仲たがいしてしまい、製作は中止され、バンドはあっけなく解散してしまいました。

スタジオ・テイクしかないと思われていたデレク・アンド・ザ・ドミノスですが、「いとしのレイラ」発表直前の1970年10月フィルモア・イーストでの貴重なライヴ録音が残っており、1973年に発売されています。
 (1779159)

1973年リリース

【収録曲】
1. 恋は悲しきもの
2. ゴット・トゥ・ゲット・ベター・イン・ア・リトル・ホワイル
3. レット・イット・レイン
4. プレゼンス・オブ・ザ・ロード
5. テル・ザ・トゥルース
6. レッド・ワイン
7. ロール・イット・オーヴァー
8. ブルース・パワー~愛の経験
本人も告白しているが、エリック・クラプトンのギタリストとしてのピークはデレク・アンド・ドミノスの時代である。
クラプトンが「生涯で最高のバンドだった」と語ったバックも超一流で、後にザッパバンドに加入するジム・ゴードンと70年代を通してクラプトンのサポートメンバーだったカール・レイドルのリズム隊はさらに演奏の底上げをしています。
最後にデレク・アンド・ザ・ドミノス解散後のメンバーに関して触れておきましょう。
その後、ソロになってからも大活躍のエリック・クラプトンですが、解散直後はドラッグに溺れ暫く音楽活動から遠ざかってしまいかなり大変な思いをしています。バンド仲間の死や不倫だので疲れ切ったのでしょう。
もっとも疲れ切ったのはエリック・クラプトンだけではなく、ベースのカール・レイドルは1980年にアルコールとドラッグ中毒により37歳の若さで亡くなっていますし、ドラムスのジム・ゴードンに至ってはドラッグ中毒の上に統合失調症となり、1983年には母親を殺害するという事件を起こしてしまい殺人罪で現在も収監されています。
ボーカルとキーボードを担当したボビー・ウィットロックは、大きなヒットこそありませんがソロとしてのキャリアを重ねており、2000年にはエリック・クラプトンと共演しデレク&ザ・ドミノスのBell Bottom Blues などを演っています。
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  • キジトラ 2021/10/8 23:10

    凄く面白かったです!勉強になりました!ちなみにデュアンが弾いているリードギターの曲教えてください!!

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