バブル期におしゃれ街道をひた走った「ザ・スタイル・カウンシル」
2016年5月25日 更新

バブル期におしゃれ街道をひた走った「ザ・スタイル・カウンシル」

イギリスのパンクバンド、ザ・ジャムのリーダーだったポール・ウェラーがジャム解散後に結成したスタイル・カウンシル。本国よりもバブル期に日本のおしゃれ好きに支持されました。

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コスト・オブ・ラヴィング

The Cost of Loving

The Cost of Loving

1986年ライブツアーの模様を収録した「Home & Abroad」を経て1987年2月サードアルバム「Home & Abroad」を発表。
「Home & Abroad」あたりから評価が下がり始め、この「Home & Abroad」の評価も芳しいものではありませんでした。

収録曲の「It Didn't Matter」はCMで使われました。
スタイルカウンシルのアルバムの中では評価が低いようだけど、それはリリース当時の評価であって、いま聴いてみればこの「コスト・オブ・ラヴィング」はとてもいいアルバムで、ぼくはこのアルバムを他のよりもよく聴く。たしかに前作の「アウァ〜」は傑作だし、ファーストのヨーロピアンテイスト、「コンフェッション〜」のクラシカルな味もみんな悪くない。だったらこの「コスト〜」の70年代の黒人ソウルにあふれた作品も、もっと評価されていいのでは? 

たしかにソウルに傾倒しすぎているかもしれないし、d.c,リーに恋しちゃったウェラーがラヴソングにのめりこんだ姿は、ウェラーのイメージとは違うかもしれない。モッズっぽさはかけらもない。けれど、ポール・ウェラーはチェンジング・マンと自分で歌っているとおり、音楽のスタイルはいつも変えてきた。それにウェラーはいつも黒人ミュージックには敬愛を抱いていて、作り出す音もソロになってもブラックへのあこがれはいつも根底にあった。

1はファンキーなリズムがいい。3・4・5などは黒人音楽を下敷きにした良質な白人音楽だ。同時代の同傾向で活躍したシンプリーレッドなど、80年代後半はソウルをもとにしたイギリスのバンドたちがシーンに登場していたけど、それらと比べても何ら遜色はない出来だと思う。8はこれこそスタイルカウンシルのなかでも傑作のソウルナンバー。70年代のマーヴィン・ゲイやアル・グリーンっぽい。7はとてもせつないラブソングでしめつけられるようなウェラーの声がいい。ラブソングだけれど甘すぎることがないのはさすがウェラー。d・c・リーの声もアルバム全体で聴かれてとてもいい。

いくらこのアルバムでリーとラブラブな仲になったのだとしても、ジョンレノンがヨーコに傾き、音楽性までヨーコに傾いてしまったのとは違う。やはりウェラーはウェラー。当時の不評なんかいままで引きずってもしかたない。とにかくいいものは、いいのだから。 

The Style Council - It Didnt Matter

The Style Council were an English musical group formed in 1983 by ex-The Jam singer and guitarist Paul Weller with keyboardist Mick Talbot. The permanent lin...
【収録曲】
1.It Didn't Matter
2.Right to Go
3.Heavens Above
4.Fairy Tales
5.Angel
6.Walking the Night
7.Waiting
8.The Cost of Loving
9.A Woman's Song

コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ

Confesstions of A Pop Group 

Confesstions of A Pop Group 

1988年6月発表の4thアルバム(邦題はポップ・グループの告白)ですが、残念ながら評論家に酷評されてしまい、1989年7月のアルバートホールでのコンサートを最後に、翌月活動停止を発表します。

The Style Council "Confessions of a pop group"

Performance of Confessions of a pop group on a BBC Special in 1988. Just gets better with age.
【収録曲】
1.It's a Very Deep Sea
2.The Story of Someones Shoe
3.Changing of the Guard
4. 1.The Little Boy in a Castle
  2.A Dove Flew Down The Elephant
5.The Gardener of Eden (A Three Piece Suite)
  1.In The Beginning
  2.The Gardener of Eden
  3.Mourning The Passing Time
6.Life at a Top Peoples Health Farm
7.Why I Went Missing
8.How She Threw It All Away
9.I was a Doledads Toyboy
10.Confessions 1, 2 & 3
11.Confessions of a Pop-Group
今やUKロック界の至宝と言われるポール・ウェラーが音楽を始めた動機をインタビューで答えています。
「とにかく音楽が好きというだけだったよ。物心ついた時から、自分には音楽しかなかったんだ。特にギターを弾けるようになってからは、ギターが自分にあらゆる意味での可能性を与えてくれた。要するにいろんなことから逃れる、逃避するための可能性だよ。退屈な日常生活から逃避させてくれたんだ。学校とか仕事とかね。俺は郊外の小さな町の出身だったから、大抵の人は学校を出たら工場で働くしかなかった。それか勉強して、普通にカレッジに行くとかね。ワーキングクラスには、それぐらいしか選択肢がなかったんだ。俺はそんな人生は嫌だった。だけど、音楽以外にやりたいことがなかったから——女の子と出会いたいってのはあったけど(笑)——とにかく曲を作ってバンドでツアーしてってことを続けた。それしか頭の中にはなかったんだ。結果、幸いにもそれを40年くらい続けてこれたんだよね。ロックは、自分にとって自己表現というか、普段の生活の中では体験できないことをかたちにするための出口みたいなものだったんだ」
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