仕事場などで何気に流れているBGM。主に利用されるイージー・リスニング音楽って、実は意外と奥が深~いんです!!
2017年5月16日 更新

仕事場などで何気に流れているBGM。主に利用されるイージー・リスニング音楽って、実は意外と奥が深~いんです!!

昨今のニュースやドラマなどを見ると、イージーリスニング音楽をMGMで流していることがよくありますが、それ以外はあまり耳にしなくなってしまいました。私の若い頃(60年代後半~80年代前半)にはラジオやテレビでしょっちゅう特集を組んではこのジャンルの音楽紹介をしていたように記憶しています。21世紀に入ってからはすっかり鳴りを潜めてしまった感のあるジャンルですし、今やほぼ過去の音源でしか楽しめなくなったのは寂しい限りですが、実はこのジャンルって意外と奥が深いんですよ。そんなイージー・リスニングの世界を覗いて見ることにしましょう。

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イージー・リスニング(Easy Listening)って、どんな音楽なの??

イージーリスニングのディスク・コレクション

イージーリスニングのディスク・コレクション

イージー・リスニング(Easy Listening)とは、どのような音楽でしょうか?
ひょっとして30代以下の殆どの方は、はっきり答えられなのではないでしょうか?? また、ジャズ、ソウル、ロックなどのように多数の人々に認識されている音楽のジャンルとは違い、すでに私たちの生活に自然に溶け込んでしまっているのかもしれません。

イージー・リスニング(Easy Listening)の音楽を簡単に表現しようとすると、邦楽曲、ポピュラー・ヒット曲のスタンダード・ナンバーからジャズやクラシック曲まで、くつろいで楽しめるように独自のアレンジを施して、 管弦楽オーケストラによって演奏する音楽ということになります。

オーケストラによる演奏と聞くとクラシックに近いのではと思われる方も多々おられるかと思いますが、イージーリスニングは純然たるポピュラー音楽です。

近頃は、街のCDショップなどを覘いても、イージーリスニング音楽はBGM用として片隅に追いやられているか、小さな所では、このジャンルのCDを見つけることすらできないのが現状です。 テレビ、ラジオ、出版界等、どのメディアでもこのジャンルに全く関心がありませんし、話題になることすらほとんどありません。せいぜい私のような世代や”オタク”のみが・・・(~_~;)

かつてはどのメディアでも特集を組んではイージーリスニング音楽を紹介し、曲を流していたのです。しかし、残念なことに今に至っては本当にマイナーな存在に なってしまいましたが、読者の方がこの記事を読んで頂き、少しでもこのジャンルについてご理解頂ければ幸いです。

イージー・リスニング(Easy Listening)音楽は”ムード”音楽から派生した!!

ヌードではなく”ムード”音楽の定義をすると??

ムード音楽の定義は音楽評論家の中でも見解が割れているようです。多くはオーケストラの形態をとり、かつ、演奏のみであるが、一部のアルバムに見られるようにコーラスに歌詞を歌わせる形態の物もあります。
ポピュラー音楽の中で、管弦楽器などを中心とした情緒豊かなインストゥルメンタルポップスというのが一般的である。広義的には、映画音楽、ラテン音楽をも包含する概念を表します。

ムード音楽というジャンルを広げた初期のアーティストには、”マスター・オブ・ムード・ミュージック”と呼ばれる、ポール・ウエストンを初め、ジャッキー・グリースン、ローレンス・ウエルクなどがおり、日本では特に、パーシー・フェイスやマントヴァーニなどに絶大な人気がありました。

しかし、ポール・ウエストンよりもずっと前から「ムード・ミュージック」という言葉を使っているアーティストが何名かいることがわかっています。
その一人はモートン・グールド。彼が自身のレコード・アルバムのタイトルに「ムード・ミュージック」という言葉を副題として使ったのが、おそらく最初か、あるいは本当に僅差で最初から数番目であると思われます。

モートン・グールド(Morton Goulld)は、テレビ朝日系列『日曜洋画劇場』の初代エンディング・テーマに使用されていたコール・ポーター作曲の「So In Love (ソー・イン・ラヴ)」(ピアノは彼によるもの)を吹き込んだアーティストです。

その他に、ロジャー・ウイリアムス、フランク・チャックスフィールド・オーケストラ、ヘンリー・マンシーニ・オーケストラなどが挙げられる。

Morton Gould "So In Love"

どこかで聞かれた方が多いのではないでしょうか? 実はなんと、テレビ朝日系列『日曜洋画劇場』の初代エンディング・テーマに使用されていたのです!!。

Paul Weston And His Orchestra - I Went Out Of My Way

Paul Weston(1912年3月12日〜1996年9月20日)は、アメリカのピアニスト、アレンジャー、作曲家、指揮者で、1930年代から1970年代にかけてテレビで活動し、ムードミュージックのパイオニアである。 "The Father of Mood Music "と言う異名を持つ。 彼の作品としてはポピュラー音楽等のほか、賛美歌等の宗教音楽も作曲している。

Mantovani And His Orchestra - Charmaine (1958)

ムード音楽の例を挙げると、イギリスのマントバーニ・オーケストラが1950年代初頃に「シャルメーヌ」を ヒットさせたことで広く知られるようになりました。 彼の音楽の特徴は、滝が流れ落ちるかのような「カスケーディング・ストリングス」と呼ばれる管弦楽器・サウンドです。 その美しい弦の音色はまさにムード音楽のお手本と言えるのではないでしょうか?!

夏の日の恋 パーシー・フェイス A Summer Place Percy Faith

アメリカのパーシー・フェイス・オーケストラが、1960年に発表した「夏の日の恋」は、管弦楽器・サウンドにロック調のリズムを融合させたアレンジで大ヒット曲となりました。 パーシー・フェイスはその後のイージーリスニングに通じる演奏スタイルを確立させた1人です。

AUTUMN LEAVES - Roger Williams

1955年米国ヒットチャートで1位を記録した「Autumn Leaves/枯葉」は、1946年の「Yves Montand/イヴ・モンタン」がオリジナルでフランス語原題は「Les Feuilles Mortes」。米国でも1949年「Johnny Mercer」が英語詞を付けていますが、「Roger Williams/ロジャー・ウィリアムス」のピアノ・インストゥルメンタルが最大のヒットとなっています。

Frank Chacksfield & his Orchestra - Ebb Tide ( 1954 )

フランク・チャックスフィールド(Frank Chacksfield, 1914年5月9日 - 1995年6月9日)は、イギリス生まれの音楽家。
1954年、ロバート・マクスウェル (en) 作曲の「引き潮」を、冒頭と最後に浜辺の渚の音とかもめの鳴き声を入れて、独自のストリング・アレンジを施して発売。英デッカのffrrの優秀録音も手伝い、全英、全米でヒットチャートの第1位となる(現在発売されているCDは、1964年に再録音されたステレオ・ヴァージョンの方が収められている。オリジナル・モノラル録音は、iTunes Storeにてネットダウンロードにて入手可能)

HENRY MANCINI Moon River ヘンリー・マンシーニ~ムーン・リバー

ヘンリー・マンシーニは、1952年にユニバーサル映画に入社し、音楽監督のジョセフ・ガーシェンソンのアシスタントとして修行しながら、アボットとコステロの喜劇や『大アマゾンの半魚人』等のB級ホラーの劇伴を手がけた。そして『グレン・ミラー物語』、『黒い罠』といったヒット作で頭角を現わす。
1960年代からは主に、『ティファニーで朝食を』『シャレード』などオードリー・ヘプバーン作品で注目を集めた。特に『ティファニーで朝食を』でヘプバーンが歌った『ムーン・リバー』はスタンダードとなった。
他に『刑事コロンボ』のテーマ(もとはNBCのウィール、NBCミステリー・ムービー のテーマ)や『ピーター・ガン』のテーマ、『ピンク・パンサー』のテーマ、『ひまわり』のテーマなどがよく知られている。
温厚な人柄で知られ、ヘプバーンやクインシー・ジョーンズ、ジェリー・ゴールドスミスら数多くの友人に慕われた。またモーリス・ジャールやミシェル・ルグラン、ラロ・シフリンといった外国人作曲家にも親身に関わった。人望も厚く、いくつかの大学で名誉博士号を受け、後進の育成にもあたった。

ムード音楽からイージー・リスニング音楽へ

ムード音楽全盛時の特徴としては映画音楽としてヒットしたものが多かったことと、イギリスやアメリカのオーケストラが人気の中心であったことが挙げられます。しかし、60年代中頃になると、フランスのオーケストラの台頭が著しくなります。フランスのオーケストラは、当時流行していた8ビートのリズムなどポピュラーやロックの要素を取り入れたサウンドが特徴で、 従来の管弦楽器を中心とした編成ではなく、ブラス群やドラムス等を加えた編成であることから〝グランド・オーケストラ〟と呼ばれました。 主に知られているのが、ポール・モーリア・グランド・オーケストラ、レイモン・ルフェーヴル・グランド・オーケストラ、フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ、カラベリ・グランド・オーケストラという4大グランド・オーケストラでした。これらのオーケストラは、スタンダード、ワールド・ヒッツ、シャンソン、カンツォーネからクラシックまでに独自のアレンジを施して 演奏したアルバムを次々に発表し、特に日本では70年代中頃にかけて爆発的な人気となりました。 この”グランド・オーケストラ”の台頭により、ムード音楽はイージーリスニングと呼ばれるようになったとされています。

Paul Mauriat - Love Is Blue - Sound Stereo

1965年、ポール・モーリア・グランド・オーケストラ (LE GRAND ORCHESTRE DE PAUL MAURIAT) としてフィリップスレコードと契約。1968年に『恋はみずいろ』が全米ヒットチャートで連続5週トップを記録したのを機に世界的にヒット(約500万枚)、RIAAゴールドディスク、ACCディスク大賞などを受賞する。この年、モーリアは全米でのプロモーションのために単身渡米し、テレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」などに出演。1969年以降、北米を中心にコンサート・ツアーを開催する。
『恋はみずいろ』以降も、フランス語圏や英語圏のヒット・ポップスや映画音楽を中心にレコーディングを続ける。

エーゲ海の真珠 ポール・モーリア Paul Mauriat Penelope

スペインのアウグスト・アルグエロ作曲 で、本来はメキシコ向けの録音。日本では1970年12月20日にシングル盤(SFL-1307)で発売され、オリコンチャート最高40位・約7.5万枚のレコードセールスを記録している。このテイクではダニエル・リカーリが中間部のスキャットを担当していた。ファッションブランド「ROPE(ロペ)」やメルシャンワインのCM曲、TBS系ラジオ番組「林美雄のパックインミュージック」第2部エンディングなどにも使用された。公式ライブ・レコーディングでは必ず取り上げられたほか、1976年にディスコ・バージョンが発表され、1988年・1994年には1983年以降の来日ステージでの演奏に準じたアレンジのスタジオ録音が発表されている。なお、1977年に有馬三恵子の作詞による日本語カバー盤(キング GK-147)がローレン中野のボーカルにより発表されている。さらに1981年9月にはカネボウ食品よりチョコレート菓子「エーゲ海の真珠(PEARLS OF THE AEGEAN SEA)」も発売され、そのCMではモーリアの'70年バージョンがBGMに用いられた。

シバの女王 レーモン・ルフェーブル La Reine de Saba

La Reine De Saba - フランスのシンガーソングライター、ミッシェル・ローラン(日本コロムビア LL-2225-AZ、当初のアーティスト表記は「ローラン」。)の自作曲。オリコンシングルチャートに110週に渡って100位以内にランクイン、同期間のみで約32万枚を越えるレコードセールスを記録している。TBSラジオの深夜番組「白石冬美・野沢那智のパック・イン・ミュージック」で長くエンディングテーマとして使用された。グラシェラ・スサーナのヒット曲『サバの女王』(EXPRESS ETP-2685)としても知られる。なおルフェーヴル版のスタジオ録音としては1967年のオリジナルの他、日本向け特別録音としてアルバム『ソロモンの夢』(キング GP-470)の先行シングル(同 CM-50)B面で1977年2月5日に発表された『新・シバの女王』、ジャン・ミッシェル・ルフェーヴルの編曲による2002年版の3ヴァージョンが発表されている。

「涙のカノン」レーモン・ルフェーブル・グランドオーケストラ

Le Canon De Pachelbel - パッヘルベルの『カノンとジーク ニ短調』を原曲とするポップ・クラシカル。

Franck Pourcel、- Mr Lonely

1952年に独自の楽団を結成してデビューをし、1950年代半ば頃からフランス随一の人気楽団として確固たる地位を築くようになり、当時、米のパーシー・フェイス、英のマントヴァーニと並んでイージーリスニング界の3大リーダーの1人と言われるようになった。
ヒット曲としては、1955年過ぎに「急流」(オリジナル・モノラル録音)が全世界において大ヒットし、その後「オンリー・ユー」(プラターズのカバー)が、1959年にアメリカのBillboard Hot 100で最高9位にランクインする大ヒットとなった。
その後も録音活動を積極的に行い、イージー・リスニングの分野を中心に、クラシックの分野でもアルバムを発表していた。
プゥルセルの楽団による演奏は、日本で多くのラジオ、FM、テレビの番組のテーマ曲に使われている(詳しくは「テレビ、ラジオ、FMで使われた彼の演奏による音楽」を参照)。例えば、同楽団の演奏による「ミスター・ロンリー」は、1967年(昭和42年)7月3日に放送開始し、TOKYO FMが当時FM東海と称していた頃から続いているラジオ番組「JET STREAM」のテーマ曲として日本国内でも有名である(現在、同番組では溝口肇による編曲・演奏バージョンを使用)。

Franck Pourcel - Adoro

1972年に、フジテレビ系列で放送されたドラマ「光る海」のテーマ曲に使われた「アドロ」が日本で大ヒットした。
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  • あしたがんば 2019/9/2 01:07

    すみません~
    1970年代1980年代の洋楽にとてもお詳しくて、どうしても知りたくて聞きたくて、タイトルが全く分かりません。
    管弦楽器のサックフォン?それより深みのある音?
    歌はありません。
    「ツァラトゥストラはかく語りき」みたいなカタカタが入っていて、これかな?と思ったんですが前々違います
    「タータータータッタッタン」という感じなんです。これでは分からないですよね?(^^;

    cross ムードミュージック 2018/4/13 08:59

    このような記事を探しておりました。50年代から60年代にかけて、FEN(米駐留軍のラジオ放送)で、夜19時半~20時の30分間、ムードミュージックが放送されていました。私はよく聴いていました。その中で、トランペットをフィーチャーした曲が印象に残っていますが、あれは何というオーケストラだったのでしょうかね。クレバノフ・ストリングス?、ジョージ・メラクリーノ?それとも??

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