メジロ牧場大豊作
このように凄い同期の馬たちの中でもライアンは特に高い評価を受けていました。その血統もさることながら脚長で幅のある馬体も高い評価に繋がりました。そんなメジロライアンは美浦・奥平真治厩舎に入厩することになります。
平凡なデビュー
相棒・横山典弘
横山典弘騎手とプリンシアコメータ
— しゅう (@haku_ororo) January 25, 2018
結果については置いといて...勝負服がカッコイイ😆#大井競馬場#TCK女王盃 #横山典弘騎手#プリンシアコメータ pic.twitter.com/nk2qhrq0sC
そんな横山典弘騎手がメジロライアンに最初に跨ったのは、京都で行われた芝1400mの未勝利戦。このとき横山典弘騎手は弱冠21歳、デビューから4年目の若手騎手でした。しかしこのレース以降ほぼすべてのレースで横山典弘騎手がメジロライアンの手綱を握ることになります。まさに相棒・横山典弘の誕生です。この後メジロライアンはグングン成長し、一躍クラシック候補に名乗りをあげます。そして横山典弘騎手もまたメジロライアンと共に成長していったのです。
一躍クラシック候補に
クラシック無冠に終わる
メジロライアン⑦ 日本ダービー
そして迎えた大一番、日本ダービー。皐月賞で脚を余す形で敗れたメジロライアンをファンは単勝3.5倍の1番人気に支持します。レースは外連味のない逃げを打ったアイネスフウジンを外から猛烈に追い込んだメジロライアンでしたが、1馬身4分の1差届かずの2着。またしてもあと少しのところでGIに手が届きませんでした。
菊花賞トライアルの京都新聞杯から始動したメジロライアンは、このレースをコースレコードで快勝。悲願のGI制覇を目指し、菊花賞に挑みます。そうして迎えたクラシック3冠最終戦、菊花賞。レース当日はダービー馬のアイネスフウジンが故障引退、皐月賞馬のハクタイセイも屈腱炎で休養中ということもあり、メジロライアンは単勝2.2倍の圧倒的1番人気に支持されます。
レースは単勝4番人気だった夏の上り馬、メジロ牧場の同期でもあったメジロマックイーンが直線で早々と抜け出しそのままゴール。メジロライアンは外から追い込むも3着まで。クラシック最後の1冠、菊花賞も同期のメジロマックイーンにさらわれてしまう形となりました。横山典弘騎手が全部勝てると思っていたクラシックは結局無冠に終わることになります。
届かぬGIタイトル
ライアンにとって悲願のGI制覇へ大きなチャンスを迎えていました。しかし、このレースはもっとドラマチックな結末を迎えることになります。レースは最後の直線で抜け出しをはかったアイドルホース・オグリキャップが奇跡の復活で優勝。メジロライアンは外から猛烈に追い上げるも届かず2着。
オグリキャップは近走の不振からこのレースが引退レースと決まっており、ファンの間でもオグリはもう終わってしまったと思われていました。しかしそれでもファンはオグリキャップの復活を信じ、単勝は5.5倍の4番人気。鞍上には若武者・武豊を迎え、このドラマチックな結末の準備は整っていたのです。こうしてメジロライアンの悲願はまたも歴史的名馬により阻まれてしまいます。
メジロライアン⑩ 有馬記念 オグリキャップ
悲願のGI制覇
このレースでいよいよ「横山典弘を降ろせ」との声が高まりますが、何とか続投が決まり、宝塚記念へと駒を進めます。このレースにもメジロマックイーンが出走しており、単勝人気もそのマックイーンが1.4倍の圧倒的1番人気。ライアンは単勝4.1倍の離れた2番人気でした。
しかしレースではいつも後方待機からの末脚勝負に賭けるライアンがこの日は先団に取りつき4コーナーでは早くも先頭に立つというマックイーンのお株を奪うような横綱相撲で追い込んできたマックイーン以下を完封。遂に悲願のGI初制覇を達成したのです。