MS-06F 量産型ザクII
「ジオン公国軍」の主力量産型MS「ザクII」の改修機で、宇宙用の装備を取り除いた陸戦仕様機。「地上用」とも呼ばれるほか、型式番号の「MS-06J」から「J型」とも呼ばれる。正確には、『機動戦士ガンダム』本放送当時は通常のザクIIとの区別はない。
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の登場機体が「JC型」とされ、次いで『MS IGLOO』では「J型」とセリフで語られ、晴れて公式設定となった。
『機動戦士ガンダム』に登場したクラッカーおよび『MS IGLOO』でも登場した3連装ミサイルポッドは、劇中陸戦の場面でしか使用されず、MSVにおいて陸戦型ザクIIの武装であると設定されている。
MS-06S 指揮官用ザクII
シャア・アズナブルは、そのたぐいまれな操縦能力で機体性能を限界まで引き出し、「通常の3倍のスピード」と恐れられたほどの速さで専用機を乗りこなした。シャアの搭乗したMSの中で、続編も含めて全く損傷しなかったのはこのシャア専用ザクだけである。ガルマ・ザビが戦死して以降は登場せず、以後の消息は不明。ドレンに対する発言によれば、シャア専用ザクは損傷なく存在しているようである。なお、グリプス戦役を舞台にしたOVA『GUNDAM EVOLVE-EVOLVE../12 RMS-099 RICK-DIAS』では、クワトロ・バジーナが操縦するリック・ディアスにインストールされた模擬戦用プログラムとしても登場した。
テレビ版にはシャア専用機以外の本機は登場しない。あくまで角を持つ共通点のみで類似機を列記すれば、劇場版IIIのア・バオア・クーの攻防戦において、部下の量産型を退避壕の外に突き飛ばしておきながら自分だけ壕に潜りこみ、直後に流れ弾のミサイルによって壕ごと撃破されるグリーンの機体が登場する他、ア・バオア・クー防衛ラインにおいて量産カラーの機体と戦列を組み出撃する、シャア専用機に似た赤い機体の姿が見られる。ただし、これらの機体をS型とする明確な証拠はない。しかし、OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』第2話では連邦軍宇宙艦隊を強行偵察する黒い塗装のブレードアンテナ付きザクIIが登場しており、この機体はS型である。
MS-07 グフ
全高 18.7m
頭頂高 18.2m/18.5m
本体重量 58.5t
全備重量 75.4t/80t
装甲材質 超硬スチール合金
出力 1,034kw[1](60000馬力)
推力 40,700kg
最高速度 99km/h
武装 75mm5連装フィンガーバルカン(グフマシンガン)
ヒート・サーベル(グフサーベル)
ヒート・ロッド
ヒート・ホーク
シールド(グフシールド)
MMP-78 ザク・マシンガン
360mmジャイアント・バズ(弾数10)
「ジオン公国軍」の量産機で、「ザクII(陸戦型仕様)」の格闘能力を強化した改良型。
一年戦争時、ジオン公国軍は地球侵攻用の主力機として「MS-06F ザクII」の陸戦仕様である「MS-06J 陸戦型ザクII」を投入した。しかし、本来宇宙用に開発された機体の改修には限界があったため、ジオニック社は新たに純陸戦用の機体である「グフ」を開発した。さらに、重爆撃機兼輸送機である「ドダイYS」に積載されての移動や空中戦を考慮し、ザクでは指揮官機用だった頭部通信アンテナ(ブレードアンテナ)を標準装備とすることで、ドダイとの連携能力を強化している。
YMS-07B 先行試作型グフ(ランバ・ラル専用機)
ジオン軍大尉「ランバ・ラル」が搭乗する試作機。先行して登場し、「ザクとは違う」性能をもって主人公「アムロ・レイ」が搭乗する「ガンダム」を苦しめる。ラル機はパーソナルカラーである濃淡の青に塗装され、これはのちに登場する量産機の制式カラーにもなった。
YMS-07Bは対MS戦用の固定武装を追加装備したYMS-07の3号機以降の機体を実戦投入したもので、この機体の仕様が本格量産型の基となった。ランバ・ラルが搭乗したのはこのタイプである。ラル機はチューンナップが施されており、のちの量産型よりも高い性能を誇ったという。ラル機のほかには1機がMS-07Hの開発母体として流用されたことが記録されている。