ピーター・アーツ 20世紀最後の暴君の戦記
2016年11月25日 更新

ピーター・アーツ 20世紀最後の暴君の戦記

初期のK-1で、まさに暴れ回っていたピーター・アーツは、まだ専門学校生。まさに「怪童」でした。以後、毎年、年末に行われていたK-1グランプリで2連覇を含めて3度優勝。40歳を超えてもリングに上がり続け、本当に多くのファイターと戦い、名勝負、名KOシーンを創出し、6度もK-1グランプリのファイナリスト(決勝戦進出)となりました。その飽くなき闘争心で、総合格闘技戦も行っています。2013年には、そのインタービュー記事が巨大な広告となって渋谷駅に掲出されました。

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ピーター・アーツはプロのファイターとしてトレーニングに専念するつもりだった。
しかし事はうまく運ばなかった。
「すべてがうまくいっているようにみえたのですけどね
これまではじめてトレーニングへの意欲を失ってしまったのです
きっとどんなトップファイターでも
1度や2度は経験しているでしょうが
私も経験するとは思いませんでした
まったくトレーニングをする気が起こらないのです
年中外出し
ディスコにいったりナイトクラブに繰り出したり
かんたんなことですよ
みんな私のことをよく知っていて
あちこちに連れて行ってくれるし
行く先々でみんながちやほやしてくれるんです
私と話しがりお酒をおごってくれたりね
そのときの私は
トム・ハーリック先生のアドバイスをおろそかにし
まったくいうことを聞きませんでした
しっかり練習し
トップファイターとしての自覚を持った行動をしてこそ
みんなの上に立つことができる
そのことをちっともわかっていなかったのです」
via レジェンド オランダ格闘家列伝
身体面での問題は、ウイルスに感染し体調を崩したことだった。
「そのときはウイルスへの抵抗力も体になかったんですよ
以前のような鍛えられた体ではありませんでした
だからけっこう重かったんです
すっかり弱ってしまい
1日に20回はトイレにいき
たった9ヶ月で20kgも体重が落ちてしまいました
体調はとても悪かったのですが
それでも試合には絶対に出ていました」
via レジェンド オランダ格闘家列伝

マイク・ベルナルドに3連敗

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K-1グランプリ'96 決勝戦で前年に1RKO勝ちしているマイク・ベルナルドと対戦。
3R、ベルナルドの左フックでK-1で初KO負け。

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K-1 REVENGE '96でベルナルドとの3度目の対戦。
ローキックがベルナルドの下腹部に入り1R反則負け。
K-1 STAR WARS '96でベルナルドと4度目の対戦。
ベルナルドの右フックで3RKO負け。

復活 アンディ・フグを膝蹴りでKO

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トム・ハーリックは予定されていた試合をキャンセルしピーター・アーツに完全休養を申し渡した。
休養中、ピーターは、自らの過ちを知り、新たに始めることを決意した。
そして1997年2月、ピーターはジャーマン・シドゥンに勝利した。
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そしてK-1 KINGS '97でアンディ・フグを1R、左膝蹴りで倒した。

「私は100%元通りになっていました
だからあの強いアンディと戦う決心もついたのです
我々は彼をコナーに追い詰める作戦を立てました
出遅れたり
隙を与えたりすれば
あのものすごいキックがかまされます
ですからはじめヵら彼の動きを制し
強烈なパンチを何発か浴びせたのです
2分以内でKOできて
本当にうれしかったですよ
私はようやくトップに返り咲いたのです」
via レジェンド オランダ格闘家列伝

K-1グランプリ、3度目の優勝

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