5月は陰暦では「皐月(さつき)」ですが、なぜ「さつき」と言うのでしょう?
2017年5月9日 更新

5月は陰暦では「皐月(さつき)」ですが、なぜ「さつき」と言うのでしょう?

5月ですね。ゴールデンウィークが終わり、なんとなく寂しい月曜日にこのコラムを書いております。ところで5月。陰暦では「皐月(さつき)」と言います。なぜ「さつき」と言うのか?というコネタです。ポイントは「さ」という音にあります。

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5月ですね。
ゴールデンウィークが終わり、なんとなく寂しい月曜日にこのコラムを書いております。
ところで5月。
陰暦では「皐月(さつき)」と言います。なぜ「さつき」と言うのか?というコネタです。

「5月=皐月(さつき)」のポイントは「さ」?

稲に関わるモノゴトには「さ」という言葉が

稲に関わるモノゴトには「さ」という言葉が

古代の日本では「田の神(稲の神様)」のことを「サの神」「サ」と表現していたからなんです。
●「桜(さくら)」が咲いたあたりからジワジワと日本各地は農業の準備を迎える。
●田んぼに稲を植えて、お米作りが始まります。田んぼに植える時の苗を「早苗(さなえ)」と言う。
●田んぼに稲を植える神事が各地に残っているが、その神事で稲を植える役目の若い未婚女性を「早乙女(さおとめ)」と言う。
●神事のときの踊りや太鼓などの音楽を取りまとめる人のことを広島のある地域では「さんばい」と呼ぶ。
●田植えの神事自体は各地にあるのですが、その神事での音楽で使われる独特の竹製の楽器がありまして、これを「ささら」と言う。
●ささらのタイプは2つ。「すりざさら」と「びんざさら」。
※すりざさらは刻みのついた竹の棒と竹ヒゴを束ねたようなもので一組とする楽器で、互いをこすり合うことで「ザラザラ」みたいな音を出します。
※びんざさらは竹のプレートを束ねた楽器で、束ねた縄の両端をもって振ると「シャンシャン」あるいは「ジャッジャッ」という音がします。
●梅雨のことは「五月雨(さみだれ)」とも言う。
●稲に付く害虫については、昔は「さのむし」「実盛さま(さねもりさま)」などと呼ばれていた。
もうコレくらいにしておきますが、ええ、そうなのです。稲に関わるモノゴトに「さ」という言葉が関わっていることがお分かりいただけるかと思います。

これ、実はですね・・・古代の日本では「田の神(稲の神様)」のことを「サの神」「サ」と表現していたからなんです。

桜は「サ(田の神)の座(クラ。神様が来る場所)」

桜は「サ(田の神)の座(クラ。神様が来る場所)」。稲作を始める合図です。その由来が5月の古語にも表れています。

「皐月」は「サ(田の神)の月」

「皐月」は「サ(田の神)の月」。稲作をする時期なのです。「皐」という文字自体に「神に捧げる稲」という意味があるため、サという音と合体して「皐月(さつき)」となりました。

お米をこよなく愛してきた日本らしい月

5月というのは、お米をこよなく愛してきた日本らしい時期だったりするんです。現代社会ではコンビニに行けばいつでもオニギリがあるけれど、昔はそんなはずもなく、お米が当たり前に食べれる訳もないので、田の神「サの神」に色々気持ちを尽くし、芸を尽くしてもてなしを尽くし、楽しんでいただいて…そうやってお米の実りを祈ったわけです。

5月5日のこどもの日の鯉のぼりは?

あれ?じゃあ、5月5日のこどもの日の鯉のぼりは何さ?と思われる方もいるかもですね。
こちらは、サの神と全く別の信仰です。元ネタは中国。黄河の上流にある登竜山を切り開いてできた急流「竜門」の急流を登ることができた鯉は竜になるという伝説があり、これが「登竜門」の語源として、また、立身出世伝説として人気のネタでした。そんな中、江戸時代に将軍家では男児が誕生すると家紋のついた幡(はた)を立ててお祝いをする慣わしがあり、それを民間人も真似するようになる中で、この伝説と合体。最初は単純な鯉の幡だったのですが、明治時代に入ると鯉の数がジワジワ増えるわ、空を泳ぐスタイル=吹流し形式になるわ、魔よけの意味で陰陽五行の5色(青=「木」・赤=「火」・黄=「土」・白=「金」・黒=「水」 の5つの元素が邪気を祓う)を使うわで、今のスタイルに。

結果、5月は田の神様と竜になる鯉が混在する独特な月間に変化しました(笑)異国からの文化もすんなり取り入れてきた日本らしい月ですね♪
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