筆者はこの試合を後楽園球場の1塁側で観戦していた。満員札止めとなる試合は初めてで、日本ハムファンの悲願の優勝がかかったリーグ最終戦は異様な雰囲気だった。ルーキーイヤーにまさにとんでもない活躍をしてきた木田と大沢親分は心中するつもりだったのだろう。スタンドからは、これまで東映時代からエースとしてチームを支えてきた高橋直樹を、最後なんだから出せという「直樹」コールが沸き起こったりもした。日本ハムにとって木田で始まり木田で終わったシーズンだった。夢を見させてもらった日本ハムファンの歓声や怒声、罵声、悲鳴、ため息など様々な感情から発する熱が球場を覆い尽くしていた試合だったことが今でも蘇る。