3度の難病を乗り越えつかんだ勲章!不屈のGI馬・オフサイドトラップ
2019年11月21日 更新

3度の難病を乗り越えつかんだ勲章!不屈のGI馬・オフサイドトラップ

みなさんはオフサイドトラップという馬を覚えているでしょうか?8歳まで現役を続け、その間に3度の屈腱炎を克服し、不死鳥のようによみがえった馬でした。しかも8歳で重賞初勝利を挙げ、重賞連勝の勢いでGI・天皇賞(秋)まで制します。今回はそんな不屈の闘志を持ったGI馬・オフサイドトラップをご紹介します。

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1998 天皇賞・秋 サイレンススズカ オフサイドトラップ

迎えたGI・天皇賞(秋)。しかしこのレースにもとんでもない怪物が出走していたのです。自慢の絶対的なスピードが武豊騎手の騎乗により一気に開花したサイレンススズカです。この日まで他馬に影をも踏ませぬ逃走劇でGI・宝塚記念を含め6連勝中。このレースでも単勝1.2倍という圧倒的1番人気に支持されていました。

ファンもサイレンススズカの逃げ切り勝ちを信じて疑いませんでした。ところが、競馬の神様はとても残酷だったのです。この頃天皇賞(秋)で1番人気になった馬は勝てないというジンクスがあり、府中の杜には魔物が棲んでいるとまで言われていました。サイレンススズカもまた例外ではなかったのです。

圧倒的なスピードの違いでこの日も快調に逃げていたサイレンススズカ。しかし3コーナー過ぎで左前脚を骨折しずるずると後退していきます。そのまま競走中止となり予後不良となってしまいます。しかし話はここで終わりではありません。この衝撃的な事実に隠れてしまいがちですが、このレースを勝ったのがオフサイドトラップなのです。

レースは中団から最内をついて伸びたオフサイドトラップがステイゴールドの追撃を凌いで、8歳にして見事GI初制覇を成し遂げたのです。当時8歳馬の天皇賞制覇は史上初となる快挙でした。サイレンススズカの故障という悲しい事件の影には不屈の闘志で3度の試練を乗り越え、見事GIという勲章を手にしたオフサイドトラップの物語があったのです。オフサイドトラップはこの後有馬記念で10着となったのを最後に引退。壮絶な競争生活に試合終了のホイッスルが鳴り響きました。
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