ヴィジュアル系ムーブメント到来!黄金期の前半1990年~1994年を振り返る!
2021年4月4日 更新

ヴィジュアル系ムーブメント到来!黄金期の前半1990年~1994年を振り返る!

ヴィジュアル系の王道と呼ばれるスタイルを作り上げた、ヴィジュアル系三大聖典が生み出されたムーブメント前半。 90年代ヴィジュアル系ムーブメントを知る上で外すことのできないこの前半にどんな作品が生み出されてきたのか、そして次々とメジャーの階段を上がってきたバンドの軌跡を振り返っていきます。

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1993年 新ヴィジュアル系三大聖典誕生とhideソロデビュー!!

1993年には、media youthがアルバム「Awake of youth」をエクスタシーレコードからリリース、Valentine D.C.がアルバム「SAINT」でインディーズデビュー。
ZI:KILLが初の日本武道館公演を開催し、DEEPがアルバム「DEAR ROCKERS」をエクスタシーレコードからリリース、インディーズデビュー。
Luis-Maryが解散し、REDIEAN;MODEがアルバム「HYSTERIC」でインディーズデビュー、そしてGargoyleが映像作品「タントラ・マントラ」でメジャーデビューを果たしました。
そして、L'Arc-en-Cielがアルバム「DUNE」を、LUNA SEAがアルバム「EDEN」をそれぞれリリース。
YOSHIKIがソロ名義でアルバム「Eternal Melody」シングル「Amethyst」をリリースし、LADIES ROOMが初の日本武道館公演を開催。
また、黒夢がアルバム「亡骸を・・・」をリリースし、爆発的な人気を受け中京圏ヴィジュアル系シーンで活動するバンドが"名古屋系"として注目されるようになります。

そんな中、Gilles de Raisがアルバム「Gilles de Rais」をリリースメジャーデビュー。
BUCK-TICKがアルバム「darker than darkness -style 93-」をリリースし、Sleep My Dearがアルバム「MOVE」でインディーズデビュー。
そして、hideがシングル「EYES LOVE YOU」「50%&50%」でソロデビューし、X JAPANが「ART OF LIFE」をリリースしました。
東京ヤンキースがアルバム「GHOSTRIDER」をリリースしメジャーデビュー。
PATAがアルバム「PATA」でソロデビューしました。
DIE IN CRIESが初の日本武道館公演を開催し、X JAPANがMUSIC STATION Special SUPER LIVE 93に出演。
またX JAPANが東京ドーム2DAYS公演「新型エックス第1弾 日本直撃カウントダウン X JAPAN RETURNS」を開催し成功をおさめ、第44回NHK紅白歌合戦に出場しました。

新ヴィジュアル系三大聖典とは?

ヴィジュアル系の新たな王道を提示した91年発表であるLUNA SEA「LUNA SEA」、そしてこの年にリリースされた黒夢「亡骸を・・・」、L'Arc-en-Ciel「DUNE」が新ヴィジュアル系三大聖典と言われています。
この三作品が後続バンドの新たな教科書となって、ヴィジュアル系のサブジャンル「コテ系」・「名古屋系」・「白系」を確立していきました。

コテ系とは?

ヴィジュアル系の王道要素をデフォルメし過剰にデコラティブしたスタイルの事を言います。
90年代においては、主にLUNA SEAや黒夢の影響を感じさせるバンドが多いです。
具体的には、初期のDir en greyなどがこのスタイルに当たります。

名古屋系とは?

広義では中京圏ヴィジュアル系シーンを出自に持つバンドの総称です。
狭義ではポジティブパンク/ゴシックを基盤に当時の王道より"更にダークでよりコア"なものを目指しており、具体的には黒夢などの系譜に連なるバンドの音楽性を表す言葉として使われています。

白系とは?

当時のヴィジュアル系は、攻撃的でダークなイメージを持つバンドが主流でした。
そんなヴィジュアル系シーンにおいて、真逆の幻想的で透明感溢れる世界観を提示したL'Arc-en-Cielを始祖とするスタイルです。
ライバル的な存在の黒夢が黒系(後にコテ系)と呼ばれていたのに対し白系と呼ばれていました。

X Japan, Amethyst ~

1993年11月3日に発売されたソロシングル。
1993年4月21日にリリースされたYOSHIKIの1作目のアルバム『Eternal Melody』からのシングル・カットです。
ビートルズのプロデューサーとして知られるジョージ・マーティンがプロデュースしました。
三菱電機企業CM曲に起用されたほか、TBS系ドラマ『徹底的に愛は…』挿入曲にもなりました。

hide - EYES LOVE YOU

1993年8月5日に発売されたソロシングル。
「50%&50%」と同時発売されており、ジャケットは「50%&50%」と色違い。
本作は緑色で、「50%&50%」は赤色です。
3D仕様になっており、二枚のジャケットを並べると、絵柄が浮かび上がるようになっていました。
隠しトラックが収録されており、92トラック目に「EYES LOVE YOU (JUNK VERSION)」が収録されています。
2006年にSONIC STORAGE feat. KOHSHI from FLOWが、森雪之丞のトリビュート・アルバム「Words of 雪之丞」でカバー。
2007年12月12日にマキシシングル化され、再発売されています。

LUNA SEA IMAGEorREAL TIME IS DEAD ライブ

1991年4月21日に発売されたアルバム『LUNA SEA』に収録された楽曲。
Jが16歳の時、生まれて初めて作曲したという「SEXUAL PARVASION」(1stデモテープ「LUNACY」に収録)という曲が原曲となっています。
LUNA SEAとして初のオリジナル曲で、現在に至るまでライブでの定番曲です!

黒夢 (Kuroyume) - 亡骸を (Nakigara o) PV

1993年 6月11日に発売したインディーズ1stフルアルバム『亡骸を・・・』に収録された曲です。
アルバムは、インディーズチャート2ヶ月連続1位を記録。
現在と異なり手売りと通信販売がメインの自主制作に近いインディーズにおいて発売まもなく五万枚以上を売り上げ、累計では三十万枚以上のセールスを叩き出しました。
「第三の扉」大坂公演でも演奏された、葬送曲のような暗い曲で、実際に清春の父親の葬式でも流されたのだそうです。

L'Arc~en~Ciel - Dune PV

1993年4月10日に初回特装盤、4月27日に通常盤が発売された『DUNE』に収録された曲です。
L'Arc〜en〜Cielの楽曲名がアルバムの表題曲となっているのは現在まで本楽曲のみ。
曲の始めの掛け声は、「With Dune」で、初期のライブの定番曲。
作曲者のtetsuya曰く、「2曲だったものを1曲にまとめた」とのこと。
「Voice」と同じく同ライブにて久し振りに演奏され、後にP'UNK〜EN〜CIELがリアレンジしています。
15th L'Anniversary Live人気投票20位。
以前は「Call for me」というタイトルでした。

1994年 LUNA SEAのブレイクによってヴィジュアル系ムーブメントの波は最高潮に!

CASCADEがアルバム「APOLLO EXERCISER」でインディーズデビューを果たし、黒夢がシングル「for dear」でメジャーデビューとなりました。
また、hideがアルバム「HIDE YOUR FACE」をリリース。
メジャーデビューから勢いの止まらぬ黒夢がアルバム「迷える百合達〜Romance of Scarlet〜」をリリースをし、幻覚アレルギーがアルバム「PSYCHE:DELIC」をリリースしメジャーデビューを果たしました。
そして、立て続けにBODYがシングル「I LOVE YOU」で、ROUAGEがシングル「SILK」で、Laputaが「私が消える」でそれぞれインディーズデビュー。
BODYがデビューライブを日本武道館にて開催をし、その直後に解散を発表。
またGLAYがメジャーデビューシングル「RAIN」、インディーズアルバム「灰とダイヤモンド」を同時リリース。
そして、PENICILLINがアルバム「Penicillin Shock」でインディーズデビューをし、ZI:KILLが解散となりました。
また、L'Arc-en-Cielが映像作品「眠りによせて」でメジャーデビューし、アルバム「Tierra」をリリース。
LUNA SEAのシングル「ROSIER」「TRUE BLUE」が続けてヒットする中、KYOがシングル「月と太陽」でソロデビュー。
そして、MALICE MIZERがアルバム「memoire」でインディーズデビューを果たしました。
また、LUNA SEA、SOFT BALLET、BUCK-TICKによる伝説のイベントツアー「LSB」が開催。
黒夢がミニアルバム「Cruel」をリリースし、REDIEAN;MODEがシングル「目の前の絶望を愛して」でメジャーデビュー。
Valentine D.C.がアルバム「パロディ」をリリースし、DEEPがアルバム「DO YOU LOVE ME?」をリリース、La'cryma Christiが「Siam's Eye」でそれぞれインディーズデビュー。
LUNA SEAがアルバム「MOTHER」をリリースした頃、SHAZNAはアルバム「Sophia」でFANATIC◇CRISISはアルバム「太陽の虜」で、SIAM SHADEがアルバム「SIAM SHADE」でと、それぞれインディーズデビューを果たします。
そんな中、MUSIC STATION Special SUPER LIVE 94にX JAPAN、LUNA SEAが出演し、LUNA SEAが「ROSIER」にて第36回日本レコード大賞 ミュージックビデオ賞を受賞。
そして、X JAPANが第45回NHK紅白歌合戦に出場し、東京ドーム2DAYS公演「青い夜」「白い夜」を開催しました。

前代未聞のヴィジュアル系ムーブメントの到来!

メジャーシーンにおいて、LUNA SEAが大ブレークとなったこの年。
時を同じくして、今やシーンにおいての代表格ともいえる黒夢とL'Arc-en-Cielがそれぞれメジャーデビューを果たしました。
また、YOSHIKIのプロデュースによってGLAYも華々しくデビューを飾ったのもこの時期。
インディーズシーンでその後、彼らのことをヴィジュアル系四天王と呼ばれるわけですが、そんな彼らが徐々に頭角を現し始めたのがこの時期でした。
TVや新聞といったメディアにおいて「今、お化粧系バンドが熱い!!」といった特集が組まれるなど、ヴィジュアル系シーンはかつてないほどの盛り上がりを見せていました!

黒夢 for dear -kuroyume-

黒夢のメジャーデビューシングルとして、1994年2月9日に発売。
テレビ朝日「Jリーグ A GOGO!!」OPに起用された楽曲です。
ライブでは長らく演奏されておらず、『EMI 1994〜1998 BEST OR WORST』などのメンバー主導で選曲されたベストアルバムにも収録されていませんでした。
しかし、2014年1月29日「黒と影」日本武道館公演にて約18年振りに披露されました。
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