YMO登場とその背景
2015年10月23日 更新

YMO登場とその背景

言わずと知れたモンスターテクノユニットYellow Magic Orchestra YMOが誕生した時代背景などについてまとめていきます

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YMOサウンドとは?

YMOはシンセサイザーのサウンド、そしてコンピュータ制御の電子楽器による自動演奏を大々的に音楽に取り入れた先駆者的グループである。また、それまでミュージシャンの手弾きによる生演奏が常識だったライヴにおいてコンピュータプログラムによる自動演奏を取り入れた点でも革新的だった。それまでのシンセサイザーは効果音製作や、既存の楽器の代用として使用されており、シンセサイザーや自動演奏でしか作れない曲を制作しようとした者はまだ少なかったからである。しかし実際のレコーディングでは手弾きのパート、生のドラムの演奏が多かった。
初期の使用機材は
モーグ III-c(松武秀樹が使用していた大型モジュラー・シンセサイザー、通称「タンス」。簡単なフレーズやSEの演奏も行った)
ポリモーグ(坂本の個人所有物。1stアルバムやライブで使用)
コルグ VC-10(ヴォコーダー)
ローランド VP-330(ヴォコーダー)
アープ・オデッセイ(ベースやリードで多用。坂本はYMO結成前はアープ・オデッセイの名手として知られており、「東風」PVでは坂本の個人所有物(MkI、白パネル・名前入り)も見られる。
コルグ PS-3100(細野の個人所有物で、ライディーンの馬の駆けて行くSEは、これで作ったと言う。坂本も所有しており「東風」PVでも確認できる。)
シーケンシャル・サーキット プロフェット5(YMOの使用シンセの代表。)
ポラード シンドラム Model 477(シンセドラム。高橋が効果音的に使用)
ULT-SOUND(東洋楽器) DS-4・DS-4 Custom(シンセドラム)
E-MU カスタム・モジュール(大型モジュラー・シンセサイザー。第2回ワールド・ツアー以降で使用)
BIAS(イシバシ楽器) BS-1・BS-2(ドラムのリムに取り付けるタイプのシンセドラム。高橋のオーダーにより、BS-1の音色にホワイト・ノイズが追加されたタイプがBS-2。)
オーバーハイム 8ヴォイス(1stアルバムや、ライヴではサポートキーボーディストであった矢野顕子が使用)
モーグ Multimoog(細野がシンセベースとして使用。メモリーを持たないアープ・オデッセイと交互に使われた。)
ローランド JUPITER-4(ライヴでは坂本が使用。第2回ワールドツアー時にプロフェット5が壊れた際にはメインとして使用された。)
EMS VCS3(主にSE等で使われた)
モーグ 16 Channel Vocoder(ヴォコーダー。「テクノポリス 2000-20」でのみ使用)
モーグ mini moog(東風のパパパーと言う合いの手の音でしか使用されていない。)

YMO - Rydeen Music Cilp

YMOの代表曲「ライディーン」のMV

YMO1978年結成

 (1500217)

細野晴臣の呼びかけで以前より交流のあった高橋幸宏、坂本龍一の2人を自宅に招き、3人はこたつを囲んだ状態で、おにぎりを食べながら(みかんという説もあるが、みかんはあったと三人は記憶している)会合を行った。細野が新たなグループのコンセプトを彼らに伝えたところ、2人は賛同し、ここで初めて「YMO」が結成される。
後に、結成前から坂本と組んでいたシンセサイザーのエキスパート松武秀樹が、サポートメンバーのプログラマーとして加入。
1978年9月、松武秀樹をサポート・メンバーとして、YMO初となるライヴを日本楽器 池袋店東ショップ (YAMAHA) で行う。
同11月デビュー・アルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』をアルファレコードより発売。
ここからが本格的なYMOとしての活動となっていく。

第1回ワールドツアー

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10月には初のワールド・ツアー「トランス・アトランティック・ツアー」をイギリス、ロンドンのヴェニュー公演からスタート。ツアー中はテレビ、ラジオでも数多くのライヴ特番が組まれ、聴衆に対して媚を売る事なく黙々と楽器と向かい合う奇抜な演奏や真っ赤な人民服風のコスチュームなど、その独特なスタイルが注目を集めた。帰国する頃には日本でもYMOブームが起こっており、海外で火がついたYMOの人気が日本に「逆輸入」された形となった。海外でライブツアーをやるアーテイストの殆どが国内でヒットを出し、人気者になってから行うが、YMOは国内でヒットする前に行っている。これはスタッフが「YMOの音楽は国内よりも海外の方が人気になる」と予見しての事だった。
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この第1回ワールド・ツアーの模様は、翌年1980年2月21日発売の3枚目のアルバム『パブリック・プレッシャー』に収録された。このアルバムにおいてサポートのギタリスト渡辺香津美のギター・チャンネルは、渡辺が所属していた日本コロムビアの意向で全編に渡ってカットされてしまっている。(「コズミック・サーフィン」では、他のマイクが拾ったギターの音をかすかに聴き取ることができる)その代わりに、坂本のシンセサイザーが後からスタジオ録音されている”加工テイク”であった。1991年には、渡辺のギター・チャンネルが全編ノーカットで収録されたライヴ盤『フェイカー・ホリック』がリリースされた。
 (1500220)

THE END OF ASIA - YMO 1979 LIVE at THEATRE LE PALACE - YouTube

YMO 1979 TRANS ATLANTIC TOUR 18th October, 1979. Live at Theatre Le Palace in Paris.
こうしてYMOの日本国内での人気は圧倒的なものとなり、その人気は流行に敏感な若者はおろか、当時の小学生にまで広がっていった。若者がテクノカットをまね、竹の子族が「ライディーン」で踊るなど、YMOの影響は社会現象にまでなった。1980年3月からは初の国内ツアー「テクノポリス2000-20」が行われる。4月には、小学館の雑誌「写楽」の創刊イベント「写楽祭」にシーナ&ザ・ロケッツやスネークマンショーらと共に出演。同年6月には、スネークマンショーのコントを織り交ぜて制作された4枚目のアルバム『増殖』を発表。これは当初10万枚の限定盤として売り出される予定であったが、20万枚以上の予約が入ったため、通常盤としてリリースされた。同アルバムはオリコン・チャート初登場1位を記録。

1981年~中期

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