ファンクを多くの人に知ってもらいたい!とにかく聴いてもらえませんか?!
2020年1月30日 更新

ファンクを多くの人に知ってもらいたい!とにかく聴いてもらえませんか?!

確立されたのは70年代。今なお聴かれ続けているファンク。とは言え、ファンクってよく分からないって方が多いように思えます。そこでこれ。ファンクを知るにはとにかく聴くしかありません。

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ファンク

ファンクって何だかわかりますか?ブラック・ミュージックのジャンルだろ?と答えたそこのあなた、そう、あなたにお聞きしたい。それ説明できます?どのような音楽をファンクと呼ぶのでしょう?ファンク・ミュージックといっても幅広いですし、それなりに歴史もありますからねぇ。なかなか説明しづらいのではないでしょうか?しかし、ファンクと呼ばれている音楽を聴くことは容易にできます。ファンク初心者の方に、ぜひ聴いて理解していただきたいと思います。

ファンクと言う言葉は、もともとスラングで「匂い」を表していたといいます。音楽的にはファンクが誕生する以前にファンキー・ジャズ (ソウル・ジャズ)として使われていました。カーティス・フラーの「ファイブ・スポット・アフター・ダーク」などはその代表です。
ブルースエット/カーティス・フラー

ブルースエット/カーティス・フラー

1. ファイブ・スポット・アフター・ダーク
2. アンディサイデッド
3. ブルースエット
4. マイナー・バンプ
5. ラヴ・ユア・スペル・イズ・エヴリホエア
6. 12インチ

1959年5月21日録音
ではファンクはいつ誰の手によって生まれたのか?これに関しては正確なところは分かっていません。一般的にはジェームス・ブラウンによって、その原型が形成されたとされています。そのジェームス・ブラウンによる最初のファンク・ナンバーが1964年の「アウト・オブ・サイト」です。

James Brown performs and dances to "Out of Sight" on the TAMI Show (Live)

ジェームス・ブラウンをよく知らない方、もしくはこの映像を見たことのない方は「な、な、なんだ、これは!」と腰を抜かされたことでしょう。私も腰が抜けました。ある意味、これは正しい反応かもしれません。つまり、ファンクは腰にくる!

それでは、比較的馴染みやすいと思われる70年代のファンクをご紹介します。

スライ&ザ・ファミリー・ストーン

ジェームス・ブラウンの「アウト・オブ・サイト」には多くのミュージシャンがインスパイアされました。中でもブルース・ミュージシャンに大きな影響を与え、「ファンク・ブルース」なる言葉が生まれています。代表的なのはローウェル・フルソンの「トランプ」で、この曲は、ファンク・ブルースの初期の傑作とされています。
トランプ/ローウェル・フルソン

トランプ/ローウェル・フルソン

1. Tramp
2. I’m Sinkin’
3. Get Your Game Up Tight
4. Back Door Key
5. Two Way Wishing
6. Lonely Day
7. Black Nights
8. Year Of 29
9. No Hard Feeling
10. Hustler’s Game
11. Goin’ Home
12. Pico

1967年発売
「トランプ」良いジャケットですねぇ。ローウェル・フルソン、良い笑顔です。

ファンキー・ジャズ に続いてファンク・ブルースなる言葉が出てきましたが、さてさて実際どのような特徴を持った音楽をファンク・ミュージックと呼ぶのでしょう?よく言われるのが、1拍目を強調した16ビートのリズムにフレーズの反復を多用した曲構成であるとか、シンコペーションのリフを奏でるギターで装飾され、オルガンのフィルとホーンが加えられているとかなんとか。これって、何のことやら分からんですよね?そう、こんな時には実際に聴いてみるに限ります。
誰を聴くかといいますと、それはもう、スライ&ザ・ファミリー・ストーンです。
スライ&ザ・ファミリー・ストーン

スライ&ザ・ファミリー・ストーン

スライ・ストーン(ヴォーカル・キーボード・ハーモニカ)
フレディ・ストーン(ヴォーカル・ギター)
ローズ・ストーン(ヴォーカル・キーボード)
シンシア・ロビンソン(ヴォーカル・トランペット)
ラリー・グラハム(ヴォーカル・ベース)
ジェリー・マルティーニ(サックス)
グレッグ・エリコ(ドラム)
スライ&ザ・ファミリー・ストーンがファースト・アルバム「新しい世界」をリリースしたのは1967年。が、ヒットには至らず、商業的に成功するのは1968年2月にリリースされたシングル「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」からです。
60年代後半から70年代前半までファンクと言えばスライ・ストーン率いるスライ&ザ・ファミリー・ストーン。もうファンクの代名詞のような存在ですね。いえ、ファンクの枠をこえたスターか。彼らはファンクにロック的な要素を取り入れ進化させました。メンバーには白人もいました。こうしたことによって、彼らの音楽は幅広く受け入れられるようになったんですね。
そんな彼らの代表曲は、1969年12月にリリースされ全米1位となったシングル「サンキュー」です。

Sly & The Family Stone Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) HQ Audio

スライ&ザ・ファミリー・ストーンの全盛期とよべるのは僅か3~4年。この間に多くのヒット曲を放ちました。巨大な才能を持ちながら何故短い期間だったかといえば、そう、ご多分に漏れずスライ・ストーンのドラッグです。
しかし、それでも天才は違うんですね。ドラッグでヘロヘロでありながらも1971年11月には「暴動」という歴史的名盤を残しています。
暴動/スライ&ザ・ファミリー・ストーン

暴動/スライ&ザ・ファミリー・ストーン

1. ラヴン・ヘイト
2. 子供のように
3. ポエット
4. ファミリー・アフェア
5. アフリカは君に語りかける(アスファルト・ジャングル)
6. 暴動 (Mono)
7. ブレイヴ&ストロング
8. スマイリン
9. タイム
10. スペース・カウボーイ
11. ランニン・アウェイ
12. サンキュー・フォー・トーキン・トゥ・ミー、アフリカ
「暴動」の後、1973年6月に「フレッシュ」というこれまた素晴らしいアルバムをリリースしますが、スライ&ザ・ファミリー・ストーンが輝きを放ったのはここまで。時代は動きます。

Pファンク

日本でファンクと聞いて多くの人が思い浮かべる曲は、もしかするとジェームス・ブラウンの「セックス・マシーン」ではないでしょうか?この曲がリリースされたのが1970年。バックを務めたのはJBズで、そのメンバーにブーツィ・コリンズ(ベース)とキャットフィッシュ・コリンズ(ギター)がいました。
で、この二人、JBズ脱退後、ジョージ・クリントンのPファンクに合流することになります。時は1972年。参加したアルバムは「アメリカ・イーツ・イッツ・ヤング」です。
アメリカ・イーツ・イッツ・ヤング/ファンカデリック

アメリカ・イーツ・イッツ・ヤング/ファンカデリック

1. You Hit the Nail on the Head
2. If You Don’t Like the Effects, Don’t Produce the Cause
3. Everybody Is Going to Make It This Time
4. Joyful Process
5. We Hurt Too
6. Loose Booty
7. Philmore
8. I Call My Baby Pussycat
9. America Eats Its Young
10. Biological Speculation
11. That Was My Girl
12. Balance
13. Miss Lucifer’s Love
14. Wake Up
70年代のファンクを語る上で欠かすことのできないのがジョージ・クリントンとPファンクです。ん?Pファンク?ファンクじゃないの?と、訳がわからないですよね。えぇ、Pファンクって何かといいますと、ジョージ・クリントンが率いたパーラメントとファンカデリックという2組のバンドのことをいいます。またはこれらのバンドに参加したメンバーたちによる音楽ジャンルでもあります。
ファンクの代表的なミュージシャンであるブーツィ・コリンズとキャットフィッシュ・コリンズが参加したのはファンカデリックの方で、ロック色を強く打ち出しています。
「アメリカ・イーツ・イッツ・ヤング」リリース後、ブーツィ・コリンズはPファンクからいったん離れ、1974年に戻った際にはパーラメントのアルバム「アップ・フォー・ザ・ダウン・ストローク」に参加します。
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