【東尾修投手】黒い霧に覆われた低迷期~黄金時代の夜明けまで飛び続けた「トンビ」
2021年5月27日 更新

【東尾修投手】黒い霧に覆われた低迷期~黄金時代の夜明けまで飛び続けた「トンビ」

「黒い霧事件」により、主力投手がチームを追放。翌年から入団間もない東尾投手がローテーションを担う事になる。長い長い低迷期からその夜明けまで投げ続け、そして引退後も監督としてライオンズに貢献した東尾投手の球歴を振り返る。

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1983年シーズンに東尾投手は2度目の最多勝(18勝9敗)、最優秀防御率(2.92)、ベストナイン、パ・リーグMVPなど数々のタイトルを獲得。さらに第7戦までもつれた巨人との日本シリーズでも、リリーフとして登板。1勝1敗1セーブを挙げて2年連続日本一に大きく貢献しました。

1983西武vs巨人

1984年に東尾投手は通算200勝を達成(14勝14敗)。
翌年の1985年には17勝(3敗)を挙げ、リーグ優勝に貢献。この年の日本シリーズはランディ・バース選手・掛布選手・岡田選手ら「猛虎打線」の阪神タイガースに敗れるものの、東尾投手はリリーフ登板し1勝1セーブと好投します。
85年、阪神の日本一を伝える新聞

85年、阪神の日本一を伝える新聞

1986年もリーグ優勝し、東尾投手は広島との日本シリーズの1戦に先発(日本シリーズの先発はこの時が初)5戦・8戦にも先発し、勝利をあげる事は出来なかったものの21イニングに登板。史上初の第8戦までもつれた西武ライオンズ投手陣を支えました。

1986年日本シリーズ第8戦

1987年は同僚の工藤公康投手と最優秀防御率のタイトルを最後まで争います。結果的に工藤投手が最優秀防御率のタイトルを獲得。ただ、後半戦に5連続完投勝利を含む9勝1敗という活躍ぶりが評価され、東尾投手は2度目のパ・リーグMVPに輝きます。

読売ジャイアンツとの日本シリーズで東尾投手は1戦、5戦に先発登板(1勝1敗)。チーム自体は4勝2敗と、1983年に続き、日本シリーズという大舞台でジャイアンツを倒した西武ライオンズは名実共に球界の盟主となっていくのです。
※この年の日本シリーズはクロマティ選手の緩慢な守備の隙を突いた、西武ライオンズの抜け目ない走塁。あと1アウトで勝利が確定するところで清原選手が号泣などが有名。

1987 日本シリーズ 巨人vs西武 第5戦

通算20年間で最多勝2回 (1975年、1983年)最優秀防御率:1回 (1983年)251勝(247敗)という大記録を打ち立てた東尾投手は1988年限りで現役を引退します。
西鉄ライオンズ~太平洋クラブライオンズ〜クラウンライターライオンズ~西武ライオンズと球団名称が変更していく迄の「ライオンズ」に所属したのは、東尾選手と大田卓司選手の2人だけ。
東尾投手は正に「ライオンズ」一筋に飛び続けたのです。

監督としてリーグ優勝に貢献

森監督の勇退に伴い、東尾氏が1995年に西武の監督に就任した時、秋山選手、石毛選手、工藤選手など選手時代に共に黄金期を支えた後輩達は既にチームを去り、西武ライオンズは転換期に入っていました。そんな中で東尾監督はチームを作り上げ、97年に3年ぶりにリーグ優勝(日本シリーズではヤクルトに敗退)。翌98年もパリーグを連覇(日本シリーズではベイスターズに敗退)しました。
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前任の森監督と比べて物足りないと感じられるかもしれませんが、1995年から2001年まで監督通算7年間でリーグ優勝2回。一度も3位以下になった事はなく、特に松坂大輔、西口文也、石井貴、豊田清ら先発投手、リリーフの森慎二ら投手陣を育成するなど、世代交代を果たしつつAクラスを常に維持した監督手腕は高く評価されています。
石田純一さんと

石田純一さんと

監督退任後は野球解説者として活動する一方で、娘の理子さんや、理子さんの夫である俳優の石田純一さんと共にテレビ番組などで活躍されています。
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