【ドラクエ派?FF派??】好みが分かれましたよね、国産2大RPG!両者の歴史を振り返ります!!
2016年6月20日 更新

【ドラクエ派?FF派??】好みが分かれましたよね、国産2大RPG!両者の歴史を振り返ります!!

「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」。日本のゲーム史に大きな影響を与えた両ゲームは、競うようにして進化してきましたよね。私たちユーザーはその恩恵にあやかって、夢中でゲームを楽しみました。その進化の歴史を振り返ります。

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1988年2月10日 ドラゴンクエストIII そして伝説へ…

ドラゴンクエストIII そして伝説へ…

ドラゴンクエストIII そして伝説へ…

ドラゴンクエストシリーズの第3作。堀井雄二の脚本・ゲームデザイン、鳥山明のキャラクターデザイン、すぎやまこういちのヒロイックな音楽などにより爆発的な人気を博し、発売日には量販店の前に数キロメートルの行列ができるなどの社会現象を巻き起こした。キャッチコピーは「触れたら最後、日本全土がハルマゲドン」。SFC版は「SFC究極のドラクエ」。GBC版は「一番愛されたドラゴンクエスト」。企画段階の仮タイトルは「そして伝談へ」だった。

物語は、ロトシリーズ3部作の完結篇と位置づけられており、前2作『ドラゴンクエスト』『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』の物語中に名が登場した伝説の勇者「ロト」、および舞台となった世界「アレフガルド」の秘密が本作で判明する(ただし、堀井雄二は『I』製作時は『III』まで想定しておらず、後付ながらストーリーがうまく繋がったのはよかったと述べている)。

ROMは前作の2倍である2メガビット(256キロバイト)ROM を使用、バッテリーバックアップのセーブファイル容量は64キロビットとなっている。ゲームシステム面では、仲間キャラクターの名前・職業(キャラクタークラス)・性別を自由に選び、パーティーを自由に編成して冒険できるという、キャラクターメイキングのシステムを取り入れている。『ドラゴンクエスト』で削ぎ落とされた要素が『ドラゴンクエストIII』になって実現した形で、これはバッテリーバックアップの採用が大きい。また、シリーズで初めて、複数のフィールドマップが登場するようになった。そのためROM容量が不足し、製品版では一部の町やダンジョン、モンスターなどのいくつかの要素がカットされている。またオープニングも無く、タイトル画面は真っ黒な無音の画面に「DRAGON QUEST III」と表示されるのみとなった。

1988年12月17日 ファイナルファンタジーII

ファイナルファンタジーII

ファイナルファンタジーII

本作は、当時のRPGとしては異例と言えるほどに複雑な人間関係や命の尊さなどを描く色濃い人間ドラマが盛り込まれており、その後のシリーズにおけるストーリー性重視スタイルの先駆けになった作品と言える。

本作では敵サイドが帝国軍で、主人公およびその仲間たちがその帝国軍に抵抗する反乱軍の協力者という位置付けになっており、『スター・ウォーズ』旧3部作の影響がシナリオに反映されている。

シナリオは、脚本家の寺田憲史が手掛けた。また、本作の小説版『ファイナルファンタジーII 夢魔の迷宮』も寺田によるものである。登場キャラクターやモンスターのデザイン、イメージ画などは幻想画家でデザイナーの天野喜孝が担当した。

本作は、「『FFI』とはとにかく違うものにしよう」という構想のもとに作成された。そのため、本作には経験値およびレベルの概念が存在せず、戦闘中に負ったダメージの量や武器や魔法を使用した回数などによってキャラクター個々のステータスや「熟練度」などが上昇するという独特の成長システムが導入されている。また、ゲームスタート時には、主要キャラクター4人の名前を全て入力し終えた直後にいきなり桁違いに強い敵との戦闘が始まるという独特の演出が用いられている(リメイク版では名前入力直後にプロローグが流れ、その後に戦闘へと繋がる)。

シリーズでお馴染みのチョコボとシドは、本作で初登場した。また、シリーズで繰り返し登場するクリスタルも登場するが、本作ではあるダンジョンへ入る際に必要となるアイテムの素材であったり、別の物では主人公たちのステータスを増大させる程度のものであったりと非常に存在感が薄い。つまり、「世界観に関わる存在としてのクリスタル」というイメージが固定化されたのは『FFIII』以降であると言える。

シリーズで繰り返し使われている「プレリュード」は、本作より調性がハ長調に改められ、以後のシリーズにおいても単純な上昇音形16音と下降音形16音が採用されている。前作『ファイナルファンタジー』では8分音符分のディレイが掛かっていたが、本作では音符1個ごとに3/1024(3/32*1/32)ずつ音価が加算されて32音で初めに戻るという複雑なディレイが掛かる(ただし、リメイク版では8分音符分)。

1990年2月11日 ドラゴンクエストIV 導かれし者たち

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち

ドラゴンクエストIV 導かれし者たち

ドラゴンクエストシリーズ第4作であり、FCで発売された最後のドラゴンクエスト作品である。前3作までで、シリーズ開発当初から構想されていた「初心者でも遊べるようにハードルを低くしたコンピュータRPG」という目的は達成し、本作からはドラゴンクエスト独自のシステムの導入が進んでいくこととなる。本作では、5つの章に分かれたシナリオや、AIによる戦闘システム、5人以上の仲間キャラクターと同時に冒険できる馬車システムが導入された。

主要プレイヤーキャラクターは勇者を含めた導かれし者と呼ばれる8人で、第一章から第四章までは勇者の仲間それぞれの旅立ちが描かれ、第五章は主人公である勇者が他の7人を次々と仲間に導き、人間達を滅ぼそうとする「地獄の帝王」を倒すために冒険をする。本作は後に「天空シリーズ」の第1弾という位置づけとされた。

本作で使用されている前作より更に倍の4メガビットというROM容量は当時としては膨大な量で、「それまでのエニックスのFCソフト(ドラゴンクエスト前3作と『ポートピア連続殺人事件』『ドアドア』)を全部足してもまだ余る」とのアピールが発売前の雑誌広告などでなされていた。これまで1年に1本ずつ出ていたが、本作の発売までには第3作から2年のブランクがあった。

発売後、ゲームブック化や小説化、ドラマCD化が行われた(小説ドラゴンクエスト、ゲームブックドラゴンクエスト、CDシアター ドラゴンクエスト参照)ほか、本作の世界設定を基にした外伝的な漫画作品も登場した。また、本作の発売と同時期に『ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場』が始まり、ここで多くの漫画家によって創作された二次的なキャラクター造形は、後のリメイク版にも影響を与えた。

本作の登場人物「トルネコ」を主人公としたドラゴンクエストシリーズ初のスピンオフ作品として『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が発売され、後にシリーズ化されている。

1990年4月27日 ファイナルファンタジーIII

ファイナルファンタジーIII

ファイナルファンタジーIII

本作はシリーズ作品ではあるが、ストーリーは前2作とは全く関連性はない。ただ、世界観は『ファイナルファンタジー』(以下FFIと表記)に通底しており、クリスタルと世界が密接した関係を作っている。

ストーリーの途中で人の「死」に直面する場面がいくつかある。その理由として、本作の開発中に製作総指揮・ディレクターを務める坂口博信の自宅が火災に遭い、母親が亡くなる事故が起きたことが挙げられている。坂口は「大切な人が死んでしまったときの、生き残った者の辛さをいやというほど味わいました。そして、どうやって、この悲しみを乗り越えていけばいいのか、生き残った者のすべきことはなんなのか、そんなことをいろいろと考えるようになりました。」と語り、以降のFFが「死」をテーマに扱う物語に繋がっていったとしている。

本作はシリーズ最後のFC版であると同時に、『FFI』『FFII』とシナリオを手がけていた寺田憲史がFFシリーズに関わった最後の作品である。彼は本作を題材にした漫画の原作も務めている。

『別冊宝島704 僕たちの好きなファイナルファンタジー』(株式会社宝島社、2002年)によると前作までと比べてテンポよくサクサク進む、「『FF』シリーズ中最高に遊び込める作品だったとの評価も多い」とされている。

タイトルロゴのデザインは前作『FFII』とほぼ同様のもの。デザイン化されたアルファベットで「FINAL FANTASY」と書かれた背後にクリスタルのように輝く文字でIIIと入っている。またパッケージに描かれているのは両手に剣をたずさえた「光の戦士」。この「二刀流」は本作のシステムの特徴のひとつでもある。当時のCMでは「最後の壮大なドラマ」とナレーションされていた。

【主戦場はスーパーファミコンへ】

1991年7月19日 ファイナルファンタジーIV

ファイナルファンタジーIV

ファイナルファンタジーIV

本作は、タイトルロゴに現在のスタイルが採用された最初の作品。本作のタイトルロゴに描かれているキャラクターはカイン(DS版はゴルベーザ)。

オリジナル版は、スーパーファミコン向けソフトとして1991年7月19日に発売された。スクウェアのスーパーファミコン参入第1弾ソフト。また同年10月29日には『イージータイプ』と呼ばれる初心者向けの別バージョンも発売されている。1997年3月21日、及び1999年3月11日にはPlayStation版が発売されている(1997年に発売されたのはコンビニエンスストア向けの単品、1999年に発売されたのは『FFV』及び『FFVI』を含めた一般ルート向けの『ファイナルファンタジーコレクション』)。

2002年3月28日には「スクウェア マスターピース」シリーズの1つとしてワンダースワンカラー版が、2005年12月15日にはゲームボーイアドバンス版が発売されている。2007年12月20日には3DでフルリメイクされたニンテンドーDS版が発売され、2009年8月4日からWiiのバーチャルコンソールでスーパーファミコン版が配信されている。2009年10月5日よりiアプリ(NTTドコモ)版の配信が始まり、同年12月10日にはEZアプリ (au) 版が配信され、2010年1月13日にはS!アプリ(ソフトバンクモバイル)版が配信されている。2011年3月24日には『ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション』 (FINAL FANTASY IV Complete Collection FINAL FANTASY IV & THE AFTER YEARS) として、PlayStation Portableにて発売された。

PSP版は本編と続編『月の帰還』に加え、2つの話を繋ぐシナリオも挿入されている。2012年6月27日にはPlayStation 3とPlayStation PortableにてPlayStation版がゲームアーカイブス版として配信開始された。2012年12月20日にはDS版を移植したiOS版が配信開始され、2013年6月3日にはAndroid版の配信も開始された。2014年2月19日からはWii Uのバーチャルコンソールでスーパーファミコン版が配信された。

対応ゲーム機種がファミコンからスーパーファミコンになったことにより、ハード特性でもある拡大縮小機能を活用し飛空艇の航行時にはフィールドマップにパースがかかるなど、ファミコン時代に比べ演出効果が向上した。

また、戦闘シーンは前作までのターン制ではなく、リアルタイムで時間が経過する「アクティブタイムバトルシステム(ATB)」が採用されている。このシステムは本作が初登場で、後のシリーズや『クロノ・トリガー』にも引き継がれている。また、コンフィグ画面でコントローラー設定を「マルチ」に切り替えることで「2人プレイ」が可能になった(戦闘時はキャラクターごとに操作を担当するコントローラーを任意で設定できる)。

オリジナル版の発売前後に放送されたテレビCMは、笑い声とチョコボのテーマをバックにダチョウが海岸を走り抜けるというものだった。

1992年9月27日 ドラゴンクエストV 天空の花嫁

ドラゴンクエストV 天空の花嫁

ドラゴンクエストV 天空の花嫁

ドラゴンクエストシリーズ第5作。前4作はファミコンで発売されてきたが、本作は後継機スーパーファミコンで発売された初のドラゴンクエスト作品である。キャッチコピーは「愛がある、冒険がある、人生がある」。PS2版は「強き心は時を越えて」。DS版は「冒険という、もう一つの人生」。

当初、1991年中の発売を予定し、エニックスが同時期に発刊していた『月刊少年ガンガン』とのコラボ企画(『V』の読者プレゼント企画)が行われたが、製作中にメインプログラマが独立(クライマックス)し開発が難航。1992年3月、1992年5月31日、1992年8月と変更を繰り返し、最終的に1992年9月27日に発売された。この影響で『ガンガン』とのコラボ企画が大幅に縮小された(当初、毎月100名だったが、途中から何の説明もなく毎月50名に変更)。具体的な発売日決定後の発売日変更は極めてまれである。

親子3代に渡るストーリーや、物語中盤に結婚という人生の重大なイベントがあることが特徴であり、モンスターを仲間にするシステムが導入された。シナリオ・ゲームデザインの堀井雄二は、「本作の本質は感動であり、一番の感動はもう一つの人生を体験することだ」と語っている。DS版のCMでは「人生を体験できるゲーム」と紹介された。

対応機種がスーパーファミコンとなり画質、音質が向上した。また、前作までよりもストーリー重視の作風となり、重要キャラクターの会話が自動進行するイベントシーンが増加した。また、クリア後の冒険の書(セーブファイル)で行ける「隠しダンジョン」が初登場し、最深部に隠しボスが存在する。

本作は「天空シリーズ」の2作目として位置づけられ、また、従来シリーズに共通の設定「主人公=勇者」を覆した。「魔王を倒すという使命」がゲーム開始時から主人公にはなく、最後は魔王と戦うが、直前までの目的は主人公の母親の捜索であり、「勇者対魔王」の図式は副次的な物である。魔王の存在が明かされるのは終盤からである。
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