こうして並べてみると、一番左のコア・ファイターの大きさが目立って失笑を買うかもしれないが、一応左側から順番に、1/144 コア・ファイターを、発売順に並べてある。
順を追って紹介していこう。
順を追って紹介していこう。
旧1/144 Gアーマー コア・ファイター
これは、1981年9月に発売された、旧1/144 Gアーマーに付属していたコア・ファイターである。
このコア・ファイターに関しては、この連載でもGアーマーの時に、このような解説を付け加えていた。
「ちなみに、この1/144 Gアーマー付属のコア・ファイター。
計測してみると全長が12cmほどあるが、現在の公式設定によると、コア・ファイターの全長は8.6mとなっている。そこで計算すると、この1/144キット、コア・ファイター部分だけでいうと、ぴったり1/72スケールなのだということになる」
今回は、このコア・ファイターを「GA版」と呼ぶことにするが、GA版は発売当時はそれほどつかなかったクレームが、年を経るごとに多くなってきて、近年では「絶対1/144ではあり得ない、玩具じみたGアーマー用ゆえのトンデモ版」もしくは「ガンプラで初のキット化だったので、スケール感覚が曖昧だったゆえだろう」と嘲笑されている。
このコア・ファイターに関しては、この連載でもGアーマーの時に、このような解説を付け加えていた。
「ちなみに、この1/144 Gアーマー付属のコア・ファイター。
計測してみると全長が12cmほどあるが、現在の公式設定によると、コア・ファイターの全長は8.6mとなっている。そこで計算すると、この1/144キット、コア・ファイター部分だけでいうと、ぴったり1/72スケールなのだということになる」
今回は、このコア・ファイターを「GA版」と呼ぶことにするが、GA版は発売当時はそれほどつかなかったクレームが、年を経るごとに多くなってきて、近年では「絶対1/144ではあり得ない、玩具じみたGアーマー用ゆえのトンデモ版」もしくは「ガンプラで初のキット化だったので、スケール感覚が曖昧だったゆえだろう」と嘲笑されている。
しかし、さらに現代になって、改めて旧1/144 Gアーマー各形態の、アニメ設定に準じたフォルムやシルエットの正確さから考えると、このコア・ファイターを、コア・ファイター単体で評価すること自体に無理があるのであって、巨大すぎる機体も、長すぎて、とがり過ぎている機首ノーズも、それらのデザイニング要素は全て、このコア・ファイターが装着されるGスカイ完成形の、アニメ設定画のフォルムから逆算されて計算されて仕上がったのではあるまいかという仮説も成り立つと筆者は思う。
GA版は、今も書いたように、とにかく機体全体が鋭角的に機首に向かってスパルタンなシルエットをしている。
これだけを単体で見ると、確かにコア・ファイターとしては破綻しているプロポーションなのだが、GアーマーのBパーツと実際に接続して、Gスカイを完成形として再度見てみたらどうだろうか。
GA版は、今も書いたように、とにかく機体全体が鋭角的に機首に向かってスパルタンなシルエットをしている。
これだけを単体で見ると、確かにコア・ファイターとしては破綻しているプロポーションなのだが、GアーマーのBパーツと実際に接続して、Gスカイを完成形として再度見てみたらどうだろうか。
これは、HGUCやMGの、現代的な解釈のGスカイとは根底からシルエットが異なっている。
現代版のGスカイは、箱型のGアーマーBパーツの先端に、小さなコア・ファイターが接続されている、いわば実在の戦闘機で例えるなら、スウェーデン製の戦闘機、SAAB 35 Draken(一説には、『ウルトラセブン』(1967年)の、ウルトラホーク1号のモデルになったとも言われている)に近い。
現代版のGスカイは、箱型のGアーマーBパーツの先端に、小さなコア・ファイターが接続されている、いわば実在の戦闘機で例えるなら、スウェーデン製の戦闘機、SAAB 35 Draken(一説には、『ウルトラセブン』(1967年)の、ウルトラホーク1号のモデルになったとも言われている)に近い。
しかし、旧キットGアーマーのGスカイは、二段方式で大小戦闘機のシルエットが繋がる、いわば『ミラーマン』(1971年)のジャンボフェニックスにフォルムは近くなっている。
アニメで描かれたGスカイはもちろん後者に近く、前者のフォルムは映画版や各種立体物で表現されたコア・ブースターにイメージが近くなっている。
つまり、結論を言うのであれば、いろいろ批判されてきたGA版コア・ファイターは、あくまで「1/144 Gスカイの先端パーツ」なのであり、完成されたGスカイのシルエットの先端を形成するパーツとしては申し分ない格好良さを蓄えている完成度であって、コア・ファイター単独で評価するべき物ではないということである。
では、当初からアニメ版コア・ファイターの模型化を目指して、1/144で挑戦してきたガンプラの歴史を、ここから改めて辿ってみよう。
ちなみに、『ガンダム』時代のコア・ファイターのアニメ設定画はこのようになっている。
ちなみに、『ガンダム』時代のコア・ファイターのアニメ設定画はこのようになっている。
“コア・ファイターの模型化”といえば、誰もがガンプラ黎明期の1/100 ガンダムのコア・ファイターを挙げるだろうが、あれは模型としてのクオリティといい、ギミックといい、クローバーのDX合金玩具の模倣であって「合体ロボットの腹部に変形する戦闘機型ブロック」でしかないので、ストレートなアニメ版コア・ファイターのガンプラ再現というと、やはり最初は、1982年8月に発売された、1/144 コア・ブースターに付属していた、オマケのコア・ファイター(ここではブースター版と呼ぶ)からということになる。
1/144 コア・ブースター コア・ファイター
もっともこの「1/144 コア・ブースター」。特に何もギミックがないという弱点と、Gスカイ同様、戦闘機の先端部分はコア・ファイターまんまなのだが、ブースター部分がGスカイのように、ガンダムを収納するだけの大きさをもたなくて良いので、コア・ファイターをリアルに造形しても、全体のシルエットに破綻がないようにあらかじめデザインされているのと、コア・ブースター先端のコア・ファイターは、コア・ブロック変形プロセスのように翼を折りたたんだ状態でブースターとドッキングしているため、もう1機、主翼と垂直尾翼を展開させた、正規コア・ファイターをワンセットにすることで、オマケというよりはコア・ファイターとコア・ブースターの2機セット商品という意味合いが濃くなっているキットなのである。
スケールモデル的キット化は初とはいえ、かねてからガンプラは、非人間型、非可動型のメカの完成度は高かったが、このコア・ファイターも、ノンギミックモデルとしては初めてでありながら、既に満点に近い出来を誇っている。
一応、コア・ブースターとドッキングするタイプと、共有できるパーツは同じ物を使っているので、ブースター部とドッキングする機体後部の赤のエリアが若干広めになっている。
しかし、「コア・ファイターのアレンジの時代性」が一番顕著に表れる、「コクピットキャノピーのカーブ」は、直線に見えて直線ではない(GA版はスパルタンさを意識してあえて直線でキャノピーが構成されていた)、微妙なカーブの描き方が絶妙にアニメの正規デザインに忠実に作られている。
機首両サイドのダクトの形状もアニメ版どおり。
収納や変形を考えなくてもよい主翼や垂直尾翼の大きさのバランスも航空機として説得力があるバランスに着地しており、なおかつ着陸脚もついてくる、さすがガンプラブームの絶頂期で、ノリノリだったバンダイの、スケールモデル魂も入った造形である。
機体後部の赤のエリアの広さ以外は、今の目で見ても充分に納得できるクオリティではないだろうか(ただし、当時の1/144ガンプラのため、色分けは一切されておらず、成型色の白一色なので、塗装は要必須)。
スケールモデル的キット化は初とはいえ、かねてからガンプラは、非人間型、非可動型のメカの完成度は高かったが、このコア・ファイターも、ノンギミックモデルとしては初めてでありながら、既に満点に近い出来を誇っている。
一応、コア・ブースターとドッキングするタイプと、共有できるパーツは同じ物を使っているので、ブースター部とドッキングする機体後部の赤のエリアが若干広めになっている。
しかし、「コア・ファイターのアレンジの時代性」が一番顕著に表れる、「コクピットキャノピーのカーブ」は、直線に見えて直線ではない(GA版はスパルタンさを意識してあえて直線でキャノピーが構成されていた)、微妙なカーブの描き方が絶妙にアニメの正規デザインに忠実に作られている。
機首両サイドのダクトの形状もアニメ版どおり。
収納や変形を考えなくてもよい主翼や垂直尾翼の大きさのバランスも航空機として説得力があるバランスに着地しており、なおかつ着陸脚もついてくる、さすがガンプラブームの絶頂期で、ノリノリだったバンダイの、スケールモデル魂も入った造形である。
機体後部の赤のエリアの広さ以外は、今の目で見ても充分に納得できるクオリティではないだろうか(ただし、当時の1/144ガンプラのため、色分けは一切されておらず、成型色の白一色なので、塗装は要必須)。