1/144 初代HGガンダム コア・ファイター
こちらは、1990年3月に発売された、1/144 初代HG ガンダムに付属してきたコア・ファイター。通称「初代HG版」
1/144ながら、不完全といえども、果敢に色分けとコア・ブロック変形に挑戦している。
実際のこのキットのコア・ブロックへの変形は、「尾翼は取り外す」「主翼は折りたたんでボディに密着させられる」「フロントノーズは伸縮出来るが、あくまでノーズ部分だけで、コクピット部分はブルーのカバー側に固定」「ノーズを縮めた機首は、回転してボディ下部に納まる」等々、パーツ分割やギミックにおいて、旧1/100の概念をそのまま、ディテールや色分け、システムインジェクション等の新技術を導入して、1/144にリサイズした、という概念が当てはまるコア・ファイター。
ボディ上面部分の紅白の分割でシステムインジェクションは頑張っているのだけれども、後は機首部分が丸ごとブルーのパーツで構成されているなど、やはり塗装は必須になってくる。
1/144ながら、不完全といえども、果敢に色分けとコア・ブロック変形に挑戦している。
実際のこのキットのコア・ブロックへの変形は、「尾翼は取り外す」「主翼は折りたたんでボディに密着させられる」「フロントノーズは伸縮出来るが、あくまでノーズ部分だけで、コクピット部分はブルーのカバー側に固定」「ノーズを縮めた機首は、回転してボディ下部に納まる」等々、パーツ分割やギミックにおいて、旧1/100の概念をそのまま、ディテールや色分け、システムインジェクション等の新技術を導入して、1/144にリサイズした、という概念が当てはまるコア・ファイター。
ボディ上面部分の紅白の分割でシステムインジェクションは頑張っているのだけれども、後は機首部分が丸ごとブルーのパーツで構成されているなど、やはり塗装は必須になってくる。
コア・ブロックに変形する前提で見れば、1/100 ガンダム付属版ほどハコっぽ過ぎもせず、取り外し式の垂直尾翼の大きさが、シルエット的にちょうど良いアクセントになってくれているかと。
ただ、ボディと主翼が密着する変形をする前提だけに(しかもさらにそのコア・ブロックが、ガンダムのボディに収まる前提だけに)、機体の厚みと主翼の左右への広がりとは、どちら付かずの中途半端になってしまった感は否めない。
コクピット部分は、1/100の構造をベースにしたからか、キャノピーのラインは直線的で、薄っすらカーブが描かれてるような、という程度。
むしろ、1/100から10年。機首ノーズの先端へ向かっての面構成の進歩が、HG版でもっとも評価すべき部分かもしれない。
ただ、ボディと主翼が密着する変形をする前提だけに(しかもさらにそのコア・ブロックが、ガンダムのボディに収まる前提だけに)、機体の厚みと主翼の左右への広がりとは、どちら付かずの中途半端になってしまった感は否めない。
コクピット部分は、1/100の構造をベースにしたからか、キャノピーのラインは直線的で、薄っすらカーブが描かれてるような、という程度。
むしろ、1/100から10年。機首ノーズの先端へ向かっての面構成の進歩が、HG版でもっとも評価すべき部分かもしれない。
1/144 HGUC 021 ガンダム コア・ファイター
続いては、2001年5月に発売されたHGUC 021版ガンダム付属のコア・ファイター。
ここではこれを「HGUC版」と呼ぶことにする。
キットの精密度は格段に上がっているが、これは他のコア・ファイターと違って、純粋な“付属オマケ”なので、色分けも赤、青、グレーのみ。
さすがに2000年代のガンプラだけあって、モールドやディテールはシャープだが、コア・ファイターそのもののデザインリファインも、マスターグレードシリーズなどでこなれてきて、このHGUC版も、ぱっと見では気づかないが、様々なところがデザインリファインされている。
例えば、コア・ファイターといえばどうしても箱型の戦闘機というイメージで見てしまい、実際の(上で貼った)アニメ画設定もマッチ箱のようなデザインなのだが、このHGUC版では、ボディ両サイドのダクトに、鋭角的な角度を付けたり、上面から見たシルエットも多少先端へ向けてすぼませたり、機首の先端への絞り方をアレンジしたりと、現代的な格好良さへと微調整アレンジが細部にまで行きわたっている。
この場合、オールドファンとして一番違和感を覚えるのは、コクピットキャノピーの形である。
上でもブースター版、初代HG版でも言及したが、コア・ファイターのキャノピーは、一見すると直線で構成されているように思えるが、微妙なカーブを描いていることは、アニメでも、テレビ版のオープニングから、劇場版最終作『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)でのコア・ブースターの作画でまで、徹底して貫かれている。
ここではこれを「HGUC版」と呼ぶことにする。
キットの精密度は格段に上がっているが、これは他のコア・ファイターと違って、純粋な“付属オマケ”なので、色分けも赤、青、グレーのみ。
さすがに2000年代のガンプラだけあって、モールドやディテールはシャープだが、コア・ファイターそのもののデザインリファインも、マスターグレードシリーズなどでこなれてきて、このHGUC版も、ぱっと見では気づかないが、様々なところがデザインリファインされている。
例えば、コア・ファイターといえばどうしても箱型の戦闘機というイメージで見てしまい、実際の(上で貼った)アニメ画設定もマッチ箱のようなデザインなのだが、このHGUC版では、ボディ両サイドのダクトに、鋭角的な角度を付けたり、上面から見たシルエットも多少先端へ向けてすぼませたり、機首の先端への絞り方をアレンジしたりと、現代的な格好良さへと微調整アレンジが細部にまで行きわたっている。
この場合、オールドファンとして一番違和感を覚えるのは、コクピットキャノピーの形である。
上でもブースター版、初代HG版でも言及したが、コア・ファイターのキャノピーは、一見すると直線で構成されているように思えるが、微妙なカーブを描いていることは、アニメでも、テレビ版のオープニングから、劇場版最終作『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編』(1982年)でのコア・ブースターの作画でまで、徹底して貫かれている。
しかし、このHGUC版では、キャノピーが直線で先端付近で角ばったラインで下がっているのである。その上で、アニメデザインでは、キャノピー後方から面一で繋がっていたブルー部分とキャノピー部分に、あえて段差が設けられている。
このアレンジは、現代的なコア・ファイターのアレンジの定番と化しているのだが、アニメ版コア・ファイターに慣れ親しんだ当時ファンからした時に、ある意味戦闘機のキャノピーは“顔”でもあるので、抱いた違和感がなかなか払拭できない。
しかしこのHGUC版は、ブースター版同様に、非変形タイプのノンギミックモデルであるので、全体の戦闘機としてのバランスもディテールも適度で、初代HG版では省かれていた、垂直尾翼から機首ブロックへと繋がる、ボディ部中央のブルーのラインのディテールも復活している。
このアレンジは、現代的なコア・ファイターのアレンジの定番と化しているのだが、アニメ版コア・ファイターに慣れ親しんだ当時ファンからした時に、ある意味戦闘機のキャノピーは“顔”でもあるので、抱いた違和感がなかなか払拭できない。
しかしこのHGUC版は、ブースター版同様に、非変形タイプのノンギミックモデルであるので、全体の戦闘機としてのバランスもディテールも適度で、初代HG版では省かれていた、垂直尾翼から機首ブロックへと繋がる、ボディ部中央のブルーのラインのディテールも復活している。
1/144 RGガンダム コア・ファイター
ここまで1981年(GA版)、ブースター版(1982年)、1990年(初代HG版)、2001年(HGUC版)と、ほぼ10年ぶりずつのペースでリファインされてきた1/144 コア・ファイターなのであるが、やはり次にキット化されたのは、ほぼ10年スパンに近い、2010年7月発売のRGガンダム付属のコア・ファイターであった。ここではこのコア・ファイターを「RG版」と呼ぶことにする。
RG版は、RGガンダム自体が20年ぶりの初代HGガンダムのリベンジガンプラというのもあって、そこで付属するコア・ファイターも、初代HG版同様にコア・ブロックに変形して、RGガンダム腹部内に変形する。
しかし、さすがに今回は2010年の最新技術が惜しみなく投入されただけのことがあって、垂直尾翼以外全パーツ色分け済み(むしろ、RGガンダム全体で、武装含みこの垂直尾翼「だけ」色分けされていなかったことは、残念過ぎる“画竜点睛を欠く”であった)。その上で、コア・ブロックへの変形も、しっかりコクピットキャノピーが、コクピット後部のブルーのブロックに後退収納されるギミックが、1/144 コア・ファイターにおいて初めて実現された革新的な設計と構造である。
RG版は、RGガンダム自体が20年ぶりの初代HGガンダムのリベンジガンプラというのもあって、そこで付属するコア・ファイターも、初代HG版同様にコア・ブロックに変形して、RGガンダム腹部内に変形する。
しかし、さすがに今回は2010年の最新技術が惜しみなく投入されただけのことがあって、垂直尾翼以外全パーツ色分け済み(むしろ、RGガンダム全体で、武装含みこの垂直尾翼「だけ」色分けされていなかったことは、残念過ぎる“画竜点睛を欠く”であった)。その上で、コア・ブロックへの変形も、しっかりコクピットキャノピーが、コクピット後部のブルーのブロックに後退収納されるギミックが、1/144 コア・ファイターにおいて初めて実現された革新的な設計と構造である。
単純に、コア・ファイターがギミック込みの戦闘機であることを考えると、以前この連載でも紹介した、このRGガンダムの翌年の、2011年2月に発売された、1/35 U.C. HARD GRAPH版コア・ファイターでもそうであったように、コア・ブロックへの変形が必須ギミックになったといっても過言ではないのだろう。
変形で生じることが宿命の「二次元の嘘」に関しては、1/100 MGガンダムの最新版などでは、コア・ファイターのボディの薄さと、その幅と一致しなければいけない主翼の幅の長さとの矛盾を解決するため「コア・ファイターは、コア・ブロックに変形する際は、一度主翼がスライドして縮み、その状態からボディへ向けて畳まれる」という、新解釈ギミックが導入されている。
こういったギミックは、他でも最新のGスカイイージーのガンプラで「コア・ファイターの幅と、Gスカイ用Bパーツの幅が(コア・ファイターのサイズ設定が、ガンダムの腹部へのかぶせ式になった関係上)違い過ぎるので、Bパーツとコア・ファイター背部との間に、謎のスペーサーパーツを挟み込む」というような事例も、ガンプラ全体で散見されている。
ただ、そういう事情を察しつつ、2010年代ならではの「究極」ゆえのRG版に、だからこそあえて厳しい評価をするのであれば、キャノピーのクリアパーツ化は嬉しい限りだが、HGUC版よりはカーブ型へとアニメ設定に形状は近づいたのだが、このスケールでキャノピー収容を再現したため、プラ素材の厚みの限界論で、設定画や初期HG版までは存在しなかった「ブルーのカバーと、コクピットキャノピー部分の段差」が、HGUC版以上に厚みがあって、全体のシルエットとスケール感を損なってしまっているのではないだろうか。
変形で生じることが宿命の「二次元の嘘」に関しては、1/100 MGガンダムの最新版などでは、コア・ファイターのボディの薄さと、その幅と一致しなければいけない主翼の幅の長さとの矛盾を解決するため「コア・ファイターは、コア・ブロックに変形する際は、一度主翼がスライドして縮み、その状態からボディへ向けて畳まれる」という、新解釈ギミックが導入されている。
こういったギミックは、他でも最新のGスカイイージーのガンプラで「コア・ファイターの幅と、Gスカイ用Bパーツの幅が(コア・ファイターのサイズ設定が、ガンダムの腹部へのかぶせ式になった関係上)違い過ぎるので、Bパーツとコア・ファイター背部との間に、謎のスペーサーパーツを挟み込む」というような事例も、ガンプラ全体で散見されている。
ただ、そういう事情を察しつつ、2010年代ならではの「究極」ゆえのRG版に、だからこそあえて厳しい評価をするのであれば、キャノピーのクリアパーツ化は嬉しい限りだが、HGUC版よりはカーブ型へとアニメ設定に形状は近づいたのだが、このスケールでキャノピー収容を再現したため、プラ素材の厚みの限界論で、設定画や初期HG版までは存在しなかった「ブルーのカバーと、コクピットキャノピー部分の段差」が、HGUC版以上に厚みがあって、全体のシルエットとスケール感を損なってしまっているのではないだろうか。
こうして並べてみると、やはり歴代コア・ファイターの評価の仕方には2種類があって、一つは初代HG版とHGUC版との間の境目にある「リファインデザイン、以前・以降」と、初代HG版とRG版と、それ以外との「変形ギミック、有・無」とである。
ブースター版とHGUC版を並べて比較してみると、「とことん、アニメの単独デザインに近づけたブースター版」と「現代風リファインと、変形システムをデザイン構造論に転化させたHGUC版」という比較が成り立つ。
これは本当に、手にする人の思い入れ次第であり、単純な優劣はつけられない。
サイズが小さく、しかもオマケという存在性も手伝うので、塗装の手数もそうそう変わらないレベル。
こればかりは、手に取る人の世代、好み、求め方で、双方に上下の差異はないと思われる。
これは本当に、手にする人の思い入れ次第であり、単純な優劣はつけられない。
サイズが小さく、しかもオマケという存在性も手伝うので、塗装の手数もそうそう変わらないレベル。
こればかりは、手に取る人の世代、好み、求め方で、双方に上下の差異はないと思われる。
この2つは、それぞれ1990年、2010年の最新のテクノロジーが注ぎ込まれつつ、コア・ブロックへの変形という、一見簡単だが、細部まで整合性を取ろうとするとかなり困難なクエストに挑戦した苦心の跡が伺える両雄であり、もちろん純粋な技術論で比較するなら、RG版の方が全てにおいて秀でているのだが、RG版はむしろ、「二次元の嘘を解消するために、デザインに手を加えた」感が大きく、そういう意味ではアニメデザインのままの変形に、果敢に挑戦した初代HG版の完成度も評価したい。