近鉄リーグ優勝の立役者
1990年前後の近鉄バファローズは、名将・仰木彬監督の采配で、毎年優勝争いに加わる強豪チームでした。実際、仰木監督が率いた1988〜1992年は、すべてAクラス。その中でリーグ優勝を果たした年が、1989年でした。その優勝に最も貢献した選手が、近鉄歴代最強の助っ人、ラルフ・ブライアントです。
それを象徴する試合が、10月12日、西武とのダブルヘッダー。この時点では西武が首位でしたが、ブライアントは神がかり的な活躍で、4本塁打7打点と西武の投手陣を粉砕。試合は6対5、14対4と2連勝し、後日リーグ優勝を果たしています。最終的には、1位近鉄から3位西武まで0.5ゲームの超僅差で、史上稀に見る大混戦のシーズンでした。
この年、オリックスのブーマーが首位打者、打点王の二冠を獲得しますが、本塁打王はブライアントが獲得し、ブーマーの三冠を阻止しています。しかも、49本塁打は2位のブーマーを圧倒する9本差。むしろ打点の方が僅差で、ブーマーにわずか3点およばず、二冠を獲れそうな勢いでした。
実はこの年、同時にリーグ最多を記録した成績があと3つあります。塁打数の310塁打、長打率の.628、そして、三振数の187三振です。自己最多の140安打を記録した年でもありますが、その数値を大きく上回ったのが三振でした。
それを象徴する試合が、10月12日、西武とのダブルヘッダー。この時点では西武が首位でしたが、ブライアントは神がかり的な活躍で、4本塁打7打点と西武の投手陣を粉砕。試合は6対5、14対4と2連勝し、後日リーグ優勝を果たしています。最終的には、1位近鉄から3位西武まで0.5ゲームの超僅差で、史上稀に見る大混戦のシーズンでした。
この年、オリックスのブーマーが首位打者、打点王の二冠を獲得しますが、本塁打王はブライアントが獲得し、ブーマーの三冠を阻止しています。しかも、49本塁打は2位のブーマーを圧倒する9本差。むしろ打点の方が僅差で、ブーマーにわずか3点およばず、二冠を獲れそうな勢いでした。
実はこの年、同時にリーグ最多を記録した成績があと3つあります。塁打数の310塁打、長打率の.628、そして、三振数の187三振です。自己最多の140安打を記録した年でもありますが、その数値を大きく上回ったのが三振でした。
1989.10.12 パリーグ天王山 ブライアント奇跡の4連発(その1)
via www.youtube.com
シーズン三振数の歴代トップ10は・・・
では、ブライアントだけでなく、シーズン三振数の歴代トップ10を見てみましょう。
順位 | 選手名 | 所属 | 三振数 | 年度 | 試合数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ブライアント | 近鉄 | 204 | 1993 | 127 |
2 | ブライアント | 近鉄 | 198 | 1990 | 108 |
3 | ブライアント | 近鉄 | 187 | 1989 | 129 |
4 | 村上 宗隆 | ヤクルト | 184 | 2019 | 143 |
5 | ブライアント | 近鉄 | 176 | 1992 | 119 |
6 | 岩村 明憲 | ヤクルト | 173 | 2004 | 138 |
6 | 佐藤 輝明 | 阪神 | 173 | 2021 | 126 |
8 | 中村 剛也 | 西武 | 172 | 2015 | 139 |
9 | エルドレッド | 広島 | 169 | 2014 | 118 |
10 | ゴメス | 阪神 | 166 | 2014 | 143 |
なんと、ブライアントがトップ3を独占!しかも、ヤクルトの村上が2019年に184三振を記録するまでは、20年以上もの間、トップ4を独占していたことになります。
達成年度を見ると、1989年、1990年、1992年、1993年とほぼ連続で、1991年が途切れているのは、シーズン途中で右膝半月板を損傷し、手術でアメリカに帰国したためです。それでも、1991年はわずか63試合の出場ながらリーグ3位の100三振を記録しています。また、1994年にもシーズン最多三振を記録しており、日本プロ野球在籍8年で5度のシーズン最多三振を達成しました。
達成年度を見ると、1989年、1990年、1992年、1993年とほぼ連続で、1991年が途切れているのは、シーズン途中で右膝半月板を損傷し、手術でアメリカに帰国したためです。それでも、1991年はわずか63試合の出場ながらリーグ3位の100三振を記録しています。また、1994年にもシーズン最多三振を記録しており、日本プロ野球在籍8年で5度のシーズン最多三振を達成しました。
歴代最多のシーズン204三振!
1993年に達成した、歴代最多のシーズン204三振。どれほどすごい記録なのか、実際の数字を見てみましょう。
この年のブライアントのシーズン記録は次の通りです。
127試合 550打席 497打数 125安打 打率 .252
42本塁打 273塁打 107打点 83得点 長打率 .549
46四球 5死球 204三振 出塁率 .320 OPS .869
太字がリーグ最多記録、赤字が歴代最多記録です。
やはり、安打数を凌駕する三振数が目立ちます。497打席のうち204三振。三振率に直すと.410で、10回に4回以上は三振したことになります。
さらに驚くのは、シーズン三振数が歴代最多にもかかわらず、同時に、本塁打王と打点王の二冠も獲得していることです。しかも、本塁打に至っては、125安打中42本塁打で、ヒットの3分の1以上が本塁打という計算になります。塁打や長打率でもリーグ最多を記録したのは、本塁打率の高さに依るところが大きいでしょう。
この年のブライアントのシーズン記録は次の通りです。
127試合 550打席 497打数 125安打 打率 .252
42本塁打 273塁打 107打点 83得点 長打率 .549
46四球 5死球 204三振 出塁率 .320 OPS .869
太字がリーグ最多記録、赤字が歴代最多記録です。
やはり、安打数を凌駕する三振数が目立ちます。497打席のうち204三振。三振率に直すと.410で、10回に4回以上は三振したことになります。
さらに驚くのは、シーズン三振数が歴代最多にもかかわらず、同時に、本塁打王と打点王の二冠も獲得していることです。しかも、本塁打に至っては、125安打中42本塁打で、ヒットの3分の1以上が本塁打という計算になります。塁打や長打率でもリーグ最多を記録したのは、本塁打率の高さに依るところが大きいでしょう。
【伝説の助っ人】ラルフ・ブライアント★THE GREATEST
via www.youtube.com
正に三振かホームラン
「三振かホームラン」と言われた外国人選手といえば、広島にいたランスや、近鉄などで活躍したタフィ・ローズなどがいますが、その形容が最も似合う選手こそラルフ・ブライアントでしょう。それもそのはず。シーズン記録だけでなく、通算記録でも他を圧倒しています。
特に高いのが、三振率と本塁打率。
通算成績は、
773試合 3335打席 2980打数 778安打 打率 .261
259本塁打 1693塁打 641打点 512得点 長打率 .568
311四球 31死球 1186三振 出塁率 .336 OPS .904
そして、三振率(= 三振数 / 打数)と本塁打率(打数 / 本塁打数)を計算すると、
三振率 .398
本塁打率 11.5
三振率のほぼ4割は無論ですが、本塁打率の高さも驚異的です。ホームランバッターの本塁打率を見ると、歴代最高が王貞治の10.66、ホームランアーティストの田淵幸一が12.41、シーズン最多本塁打の日本記録保持者ウラディミール・バレンティンが12.49、松井秀喜が13.77、落合博満が14.95です。これらと比較して、ブライアントの11.5がいかに高いかは自明でしょう。
これからも、プロ野球観戦が楽しくなる、ブライアントのような選手の登場に期待したいところです。
特に高いのが、三振率と本塁打率。
通算成績は、
773試合 3335打席 2980打数 778安打 打率 .261
259本塁打 1693塁打 641打点 512得点 長打率 .568
311四球 31死球 1186三振 出塁率 .336 OPS .904
そして、三振率(= 三振数 / 打数)と本塁打率(打数 / 本塁打数)を計算すると、
三振率 .398
本塁打率 11.5
三振率のほぼ4割は無論ですが、本塁打率の高さも驚異的です。ホームランバッターの本塁打率を見ると、歴代最高が王貞治の10.66、ホームランアーティストの田淵幸一が12.41、シーズン最多本塁打の日本記録保持者ウラディミール・バレンティンが12.49、松井秀喜が13.77、落合博満が14.95です。これらと比較して、ブライアントの11.5がいかに高いかは自明でしょう。
これからも、プロ野球観戦が楽しくなる、ブライアントのような選手の登場に期待したいところです。
ラルフ・ブライアント ホームラン集
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