意外と知られていない五輪でびっくりする事実♂♀女性の性別確認検査
2021年5月16日 更新

意外と知られていない五輪でびっくりする事実♂♀女性の性別確認検査

新型コロナウイルスの感染と森喜朗元会長の発言で大荒れの東京オリンピック。 今大会のトピックスはトランスジェンダー選手の参加が公になったことだ。そうなると、男と女の定義はどこにあるのか。また、意外と知られていない五輪の事実としての女性に対する性別確認検査。 五輪の歴史と性別検査にまつわる話をいくつか紹介したい。

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キャスター・セメンヤ

キャスター・セメンヤ

南アフリカ共和国の陸上競技選手
キャスター・セメンヤ選手
2009年ベルリン世界陸上、
2011年大邱世界陸上、
2012年ロンドンオリンピック、
2016年リオデジャネイロオリンピック、
2017年ロンドン世界陸上の金メダリスト
セメンヤが大会に出場するには、薬を服用してテストステロン値を下げる必要がある。
ただし、セメンヤは薬を服用せず、撤回を求め、欧州人権裁判所に提訴している。

スポーツ仲裁裁判所は2019年5月1日に「テストステロン値が高い女性の出場資格を制限する」(400メートルから1マイルの各種目への参加は不可)という国際陸上競技連盟の新規定を容認、セメンヤの訴えを棄却した。セメンヤが大会に出場するには、テストステロン値を下げる薬の服用が必要とされる。ただし、セメンヤは薬を服用せず、撤回を求め、欧州人権裁判所に提訴する意向を表明している。

「男」「女」の性別確認の結果健康な女性選手に投薬によりテストステロンの数値を下げさせるという問題が生じている。

セメンヤ選手の法廷闘争は、これまでスポーツ仲裁裁判所(CAS)とスイスの連邦最高裁で敗訴している。競技種目を200メートルに転向、有力選手として東京五輪に出場する意向を示している。

性別を変えた場合の性別適合について

女性として生まれた選手が男子競技・種目に出ることに条件はない。
男性として生まれた選手が女子競技・種目に出る場合は、性別変更宣言して4年間変更せず、血中の男性ホルモンであるテストステロンの値が12カ月間一定レベルを下回っていることを証明しなければならない。
つまり筋肉量に影響がある男性ホルモンの「テストステロン」の値を薬によって事前に抑制しなければならないのだ。


日本国内では、性別変更のルールはない。日本スポーツ協会は内部規則で性別適合手術をうけ戸籍変更することを要求している。
 (2277787)

2015年IOCは性別変更についてのガイドラインを変更、性別適合手術(性転換)を条件から外した。性別変更をした選手は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックから初めてトランスジェンダーの選手の五輪出場が認められる。

五輪競技の中で、男女で競う混合種目はあるのか

五輪競技の中で、唯一男女の区別がない競技は馬術のみ。
1996年アトランタ五輪からバドミントンの混合ダブルスを採用した。
2012年ロンドン五輪からテニスも混合ダブルスを採用した。
2016年リオ五輪ではセーリング混合種目が初めて実施した。
 (2277779)

2020年東京五輪では、柔道の団体、射撃、アーチェリーの混合種目、卓球のダブルス。競泳の400メートルメドレーリレー、陸上の1600メートルリレーで男女混合種目が初めて採用される。

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