知らないと損をする!名盤という名盤にこれでもかというほど顔を出すポール・チェンバースというベーシスト。
2018年2月9日 更新

知らないと損をする!名盤という名盤にこれでもかというほど顔を出すポール・チェンバースというベーシスト。

レコード・レーベルを超えて参加した曲、アルバムの数は尋常ではありません。しかも、それがことごとく名曲、名盤ときては驚きしかありません。にも拘わらず、ポール・チェンバースの認知度は低いんですよね。理不尽だなぁ。

3,934 view

その名は、ポール!

ミュージシャン、ベーシスト、名前がポールとくれば、多くの人が思い浮かべるのはマッカートニー。ポール・マッカートニーでしょう。
しかし、ここでご紹介したいのは、もう一人の天才ベーシスト、チェンバースです。
ポール・チェンバース

ポール・チェンバース

出生名:ポール・ローレンス・ダンバー・チェンバース・ジュニア
生誕:1935年4月22日
出身地:アメリカ合衆国 ペンシルベニア州 ピッツバーグ
死没:1969年1月4日(33歳没)
マッカートニーに負けず劣らずの天才でありながら、いかんせんジャズ。しかも、ポール・チェンバースのリーダーアルバムは僅かに以下の5枚を数えるのみです。

・Whims of Chambers (ブルーノート, 1956)
・Paul Chambers Quintet (ブルーノート, 1957)
・Bass on Top (ブルーノート, 1957)
・Go (ビージェイ, 1959)
・1st Bassman (ビージェイ, 1960)

こうなると知名度は雲泥の差です。代表作といえる3枚目のアルバム「ベース・オン・トップ」ですら一般にはあまり知られていないことでしょう。
しかし、このアルバムは素晴らしい!ポール・チェンバースは素晴らしいんです!
ベース・オン・トップ

ベース・オン・トップ

1 .Yesterdays
2 .You'd Be so Nice to Come Home To
3 .Chasin' the Bird
4 .Dear Old Stockholm
5 .The Theme
6 .Confessin'
アルコ(弓弾き)やピチカート(弦を指ではじいて音を出す)によるアドリブソロで注目されているポール・チェンバースのプレースタイルの特徴は、管楽器経験に根ざした言われているメロディックなベースラインにあります。
貴重な映像を観てみましょう。

Paul Chambers Green Dolphin Street Great bowed bass solo.

「ベース・オン・トップ」にはコール・ポーターの作品でヘレン・メリルの歌で日本でも人気のある「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」が収録されています。

You'd Be So Nice to Come Home To

いくら素晴らしいと言っても5枚しかアルバムを出していないのに何故ポール・チェンバースの評価が高いのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
それは、多くの名盤、尋常ではないほど数多くのアルバムにサイドマンとして参加し、素晴らしいプレイを残しているからなんです。

では、彼が参加した代表的なアルバムをご紹介します。

カインド・オブ・ブルー

ポール・チェンバースが参加したアルバムで最も有名なものは、マイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」ではないでしょうか。

と言うのも、「カインド・オブ・ブルー」は、マイルス・デイヴィスの代表作であるだけでなく、ジャズを代表するアルバムのひとつであり、最も売れたジャズ・アルバムと言われているからです。
カインド・オブ・ブルー

カインド・オブ・ブルー

1. ソー・ホワット
2. フレディ・フリーローダー
3. ブルー・イン・グリーン
4. オール・ブルース
5. フラメンコ・スケッチ
録音メンバーは以下のとおりです。

マイルス・デイヴィス - トランペット
ジョン・コルトレーン - テナー・サックス
キャノンボール・アダレイ - アルト・サックス(on1.,2.,4.,5.)
ビル・エヴァンス - ピアノ(on1.,3.,4.,5)
ウィントン・ケリー - ピアノ(on2.)
ポール・チェンバース - ベース
ジミー・コブ - ドラム

全員すごいメンバーです。そして全部名曲、名演。中でも代表曲である「ソー・ホワット」でのポール・チェンバースのベースはとても印象的です。

Miles Davis - So What

John Coltrane, tenor;
Wynton Kelly, piano.;
Paul Chambers, Bass;
Jimmy Cobb

ブルー・トレイン

マイルス・デイヴィスを出したらジョン・コルトレーンを出さないわけにはいきませんね。これも名盤中の名盤として名高い、ジョン・コルトレーンがプルーノートに残した唯一のアルバム「ブルー・トレイン」。もちろんベースはポール・チェンバースです。
ブルー・トレイン

ブルー・トレイン

1. ブルー・トレイン
2. モメンツ・ノーティス
3. ロコモーション
4. アイム・オールド・ファッションド
5. レイジー・バード
ジャズ界の2大巨頭から愛されていたポール・チェンバースですが、ジョン・コルトレーンに至っては「ジャイアント・ステップス(ポール・チェンバース参加)」というアルバムで「Mr. PC」という曲を作って演奏しています。
「PC」とは勿論ポール・チェンバースのことですね。

John Coltrane - Mr. Pc

33 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

自分の”声”までも楽器の一部にしてしまった米国のジャズピアニスト、兼、歌手のナット・キング・コールを偲ぶ

自分の”声”までも楽器の一部にしてしまった米国のジャズピアニスト、兼、歌手のナット・キング・コールを偲ぶ

読者の方々はあまりご存知ないかもしれないが、ナット・キング・コール(Nat King Cole)は1940~60年代に米国で大変人気があり、活躍したポピュラー・ジャズシンガーだった。20世紀を代表するスーパースターの一人だといっても過言ではない。彼の音楽スタイルはピアノを弾きながらクラブや、バーで歌うタイプのシンガーの一人である。今で言うなら、ビリー・ジョエルと音楽スタイルが似ている。しかしナット・キング・コールのその魅力の一つに、その”声”を挙げることができる。お世辞にも彼の声は美声であるとは言えないが、一言で言うならば、彼はその”声”までも楽器の一部にしてしまったことだろう。そんな彼の珠玉の名曲の数々を紹介しよう!
世紀の名盤、マイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを聴こう

世紀の名盤、マイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを聴こう

ジャズということで、食わず嫌いならぬ聴かず嫌いをしている人がいるかと思います。そのような方は、人生を損しているといっても過言ではないでしょう。全世界で1000万枚も売れている名盤です。安心してマイルス・デイヴィスのカインド・オブ・ブルーを聴いてみてください。
obladioblada | 9,192 view
これがアメリカでプラチナディスクを獲得したジャズ・アルバムです

これがアメリカでプラチナディスクを獲得したジャズ・アルバムです

アメリカレコード協会が発表した、ジャズでプラチナディスクを獲得したアルバムを一挙ご紹介します!
obladioblada | 497 view
訳の分からないマイルス・デイヴィスの ビッチェズ・ブリューは何故こんなにも称賛されるのか?

訳の分からないマイルス・デイヴィスの ビッチェズ・ブリューは何故こんなにも称賛されるのか?

フュージョンというジャンルを確立したアルバムと言われるマイルス・デイヴィスの 「ビッチェズ・ブリュー」。マイルスの代表作ということだけではなく、ジャズを代表する作品としても評価されています。しかし、ジャズに関心がない方がはじめて「ビッチェズ・ブリュー」を聴くと「理解できない」「退屈」という意見が多くをしめます。では何故こんなにも称賛されるのでしょう?
obladioblada | 15,900 view
人気がないのは分かってます。でも、1人でも多くの人にJAZZを聴いてほしいんです。ブルーノートを!

人気がないのは分かってます。でも、1人でも多くの人にJAZZを聴いてほしいんです。ブルーノートを!

ジャズに人気がない原因のひとつは「ジャズは難しい」という先入観があるからではないでしょうか?!ジャズにはブルーノートという多くの名盤をリリースしている素晴らしいレーベルがあります。中でもマイルス・デイヴィスのトランペットが冴える「枯葉」はこれからジャズを聴こうという方には最高です。ブルーノートとマイルス・デイヴィスのちょっといい関係、ご紹介します。難しくはありませんよ!
obladioblada | 1,559 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト