女の嫉妬はなぜこんなにややこしいの?――『あさきゆめみし』から解く、六条御息所の自己肯定の弱さからくる嫉妬に燃え尽きてしまった恋物語
2020年2月29日 更新

女の嫉妬はなぜこんなにややこしいの?――『あさきゆめみし』から解く、六条御息所の自己肯定の弱さからくる嫉妬に燃え尽きてしまった恋物語

80年代の月刊誌『mimi』にてあざやかに展開された『あさきゆめみし』。六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)は年上の才女でしたね。教養深く筆も達筆で和歌もうまい。そんな気高い完璧な女性がなぜ年下の源氏の君に翻弄され挙句、自滅してしまったのでしょうか。そのわけを探っていきたいと思います。

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古来、嫉妬を描く格好の題材となっており、御息所を描いた作品は数多い。女の嫉妬の醜さを強調するものと、知らないうちにみずからの妬心が重大な結果を招いてしまうことに空恐ろしさや罪の意識をいだく複雑な女心を描こうとするものと、両方があるが、どちらかといえば後者のほうが原作に近い。
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葛飾北斎画『北斎漫画』より、「葵上」の題で描かれた御息所。能曲「葵上」において御息所の生霊を表現する鬼女面は、後に般若面の代表となった。
普遍的に持っている女性心理として魅力を発揮しているのですね。
その点では、或いは源氏の君が愛した最愛の紫の上より読者は六条御息所に惹きつけられるのかもしれませんね。
ある意味源氏物語のカギを握っている女性でした。

また、オンラインゲームの『オセロニア』というゲームでも登場してます。
や『レイヤードストーリーズ ゼロ』でもご登場されてなさいます。
どちらも美しく愛らしく描いていますね。かわいい!

感想

10年も一途に愛し続けてしまうんですよね、源氏の君を。
そんな六条御息所。
生霊になってまでもひとあわをふかせたくもなるのは。
大部分は源氏が悪いというか、めぐりあわせが悪かったのでしょう。
時代も時代でしたし、ただただ幸せな恋をしてほしかったと思うばかり。
いろいろな人間がさまざまにいることをもしも知っていたら六条御息所、
男が源氏だけでなく、「すべてを捧げる愛する男では断じてない!」ということを
知ったとしたら、
辛いだけの恋だけでなく、
幸福に満ちた恋もあるということを知ったとしたら……
と思わずにおれないのでした。
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