平仲明信  琉球のサムライが天下をとったオキナワンドリーム
2016年11月25日 更新

平仲明信 琉球のサムライが天下をとったオキナワンドリーム

「具志堅の仇をとってやる」とボクシングをはじめ、「沖縄から世界へ」という夢をつらぬき「くぬはがぁ」とコブシをふるった男。こんなボクサーは絶対にいない。

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「沖縄にいても世界チャンピオンになれることを証明したい」
via ボクサー回流 平仲明信と「沖縄」の10年
しかし関係者は鼻で笑った
「なぜあんなちっぽけなジムに・・・」
「あのジムでは世界は無理だ」
「これで平仲は終わった」
大学も
一刻も早い退寮を命じた
平仲は部員が練習している間にひっそり寮を去った
見送る者はいなかった

たった4戦で日本タイトル奪取

 (1607632)

オリンピック代表選手の平仲は、
A級ライセンスを許され8回戦(通常は4回戦)からプロデビュー
デビュー戦で日本ランカーを1RKO
デビューから10ヵ月弱、プロ4戦目で
日本J・ウェルター級チャンピオン、田名部雅寛に挑戦した
しかしアガってしまいまったく地に足が着かない平仲に
仲井真が激を飛ばした
「お前の敵はアイツだ
集中しろ
田名部をコロせ」
via ボクサー回流 平仲明信と「沖縄」の10年
自分を取り戻した平仲は
6R田名部を眠らせ
日本Jr.ウェルター級王座獲得した

プロ12戦目、vs真中 哲也

横井一三 1RKO
藤尚美 4RKO
タイ・スチャーレン 2RKO
田名部政寛 6RKO(日本Jr.ウェルター級王座獲得)
西田輝英 1RKO
田名部政寛 5RKO
伊藤心 2RKO
ニロ・アラマグ 7RTKO
とデビュー以来連続8KO
9戦目は判定までいったものの
10~17戦目を連続KO
17戦全勝
日本王座防衛9度
世界ランク1位まで上りつめた
その圧倒的な強さは
世界タイトル奪取が期待されたが
地方のジムが
自力で世界戦をプロモートすることは容易ではなく
日本タイトルを防衛しながら
じっくりとチャンスをうかがうこととなった

世界挑戦

「沖縄から世界へ」を信念にイタリアへ

 (1607544)

そしてようやく指名試合
(各階級のチャンピオンに一定期間に1度、ランキング1位との指名試合が義務付けられる
チャンピオンが楽な相手とばかり戦ったり試合をしないなど
不当に王座に居続けることを避けるための措置の1つ
ちなみに「指名試合」に対しチャンピオンが挑戦者を選ぶ試合を「選択試合」という)

世界タイトルへの挑戦が実現した
相手は
WBA世界J・ウェルター級王者、ファン・マルチン・コッジ
強打と堅実なテクニックを兼ね備えたサウスポーで
世界王座を3度獲得、通算10度の防衛を成し遂げた名チャンピオンである
多くの日本人選手が
経済力にモノをいわして有利な日本で試合を行うが
平仲は
「沖縄から世界へ」を信念にイタリアで世界戦のリングへ挑んだ
 (1607598)

A 成田国際空港 - Bレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港
アウェイの洗礼は、
試合の前から始まった
送られてきた航空券は格安チケットだった
窮屈な席で
香港,サウジアラビアを経由し
ローマに着いたのは日本を発って30時間後だった
成田から直行便なら12時間である

vs コッジ

ファン・マルティン・コッジvs平仲明信 WBA世界Jウェルター級戦 - YouTube

平仲不運、王座奪取ならず。
 (1609214)

1R
コッジの「Látigo(鞭)」といわれる左で
平仲はガクンッとヒザを折った
「No」
平仲は否定したが
レフリーはスタンディングダウンをとった
2R
レフリーは頭から突っ込む平仲に「減点」を課した
3R、
ここまで優勢のコッジだが
平仲の左フックが炸裂してダウン
立ち上がったものの効いているコッジはクリンチし続ける
チャンスの平仲は
強引に攻めようとするが
またバッティングの警告を受ける
それでもコッジを再び倒し2度目のダウンを奪う
しかし倒し切れなかった
4R以降
エキサイトする平仲は前へ前へ出たが
コッジは近距離では打ち合わず手堅く攻めた
結局、判定3-0でコッジが勝った

「平仲に近づくな、ダメだぞ、近づいちゃ」

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