ヴィジュアル系四天王の誕生!ヴィジュアル系ムーブメント黄金期の後半、1995年~1999年を振り返る!
2021年4月24日 更新

ヴィジュアル系四天王の誕生!ヴィジュアル系ムーブメント黄金期の後半、1995年~1999年を振り返る!

LUNA SEAブレイクから黒夢、GLAY、L'Arc-en-Cielと立て続けにブレイクを果たしていき、そのムーブメントはさらに広がっていきました。 ソフトヴィジュアル系は多くの支持を得て、国民的ポップスターとしての地位を築き上げ、次世代を担うバンドも続々と誕生した後半を振り返っていきます!

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ヴィジュアル系四天王とは?

ヴィジュアル系バブルと呼ばれたこの年。
メジャーデビューを果たしたSHAZNA・La'cryma Christi・MALICE MIZER・FANATIC◇CRISISの四組のことを指します。
これはヴィジュアル系バンドを中心とした音楽番組「Break Out」がバンドを売り出す為に作ったもの。
なので、ファンコミュニティーから生まれた呼称ではありません。

La'cryma Christi - Ivory Trees [LIVE]

1997年5月8日に発売されたメジャーデビューシングル。
オリコンチャートでは、初動で前作初動の約2倍を売り上げとなりました。
カップリングの「偏西風」は、映像作品『Glass Castle』収録曲のリミックスヴァージョン。
PVは改装中の倉庫で撮影され、ジャケットには『最後の晩餐』をモチーフにしたメンバーの集合写真が載っています。

Plastic Tree / 割れた窓 【HD PV】

1997年6月25日に発売されたメジャーデビューシングル。
作詞:Ryutaro、作曲:Tadashi、編曲:Plastic Tree
インディーズ時代のシングル『リラの樹』から約9ヶ月後のリリースで、8cmCDシングルとして発売されました。
本作はPVが製作されており、PV集『二次元ヲルゴール』に収録。
またパイロット版があり、シングル『真っ赤な糸/藍より青く』に「割れた窓 〜パイロット版 1997 DEMO TAPE〜」として収録されています。
そして、メジャーデビュー15周年記念イヤーであった2012年に、“再構築版”『割れた窓 (Rebuild)』が制作され、アルバム『インク』付属のCD『Hide and Seek (Rebuild)』 に収録されました。

MALICE MIZER - Bel Air / ヴェル・エール~空白の瞬間の中で~ PV [HD 1080p] (Vers elle)

1997年7月19日に発売されたメジャーデビューシングル。
初回限定盤は5万枚限定、ビデオテープ付きでリリース。
その約2週間後にc/w、instrumentalも収録された通常盤をリリースしています。
c/wの「COLOR ME BLOOD RED」はGt.Köziがヴォーカルをとっています。
アルバム『merveilles』収録のものはアレンジが加えられており、歌も一部コーラスが足されています。

FANATIC◇CRISIS Break Out祭`97

1997年8月6日に発売されたメジャーデビューシングル。
前作から1年1ヶ月ぶりのシングルで、 売り上げは前作のおよそ3倍。
初動売り上げのみで前作売り上げを9000枚ほど上回りました。
タイトル曲は、テレビ朝日系ドラマ『ギャルボーイ!』OPテーマに起用されていました。

SHAZNA — Melty Love PV [HD 1080p]

1997年8月27日に発売発売されたメジャーデビューシングル。
テレビ朝日系番組『所さんのこれアリなんじゃないの!?』のエンディングテーマとなり、オリコンシングルチャートで初登場5位、最高2位を記録。
88万枚を売り上げ、SHAZNA最大のヒット曲。
初回限定88888枚がパノラマジャケット仕様となり、特典としてメンバーのプリクラシールが付属されていました。

インディーズ時代から唄われている曲であり、アルバムに収録されるたびにレコーディングかつリメイクされています。
インディーズでは「Melty Case」「Promise Eve」、メジャーでは「GOLD SUN AND SILVER MOON」「1993 - 2000 OLDIES」にて収録されています。

1998年 予想だにしなかったhide逝去!!

L'Arc-en-Cielにyukihiroが正式メンバーとして加入し、CASCADEが初の日本武道館公演を開催。
PENICILLINのシングル「ロマンス」が90万枚に迫る大ヒットし、hideがhide with Spread Beaver名義でシングル「ROCKET DIVE」をリリースしました。
また、L'Arc-en-Cielがアルバム「HEART」を、MALICE MIZERがアルバム「merveilles」をリリース。
その後、MALICE MIZERが初の日本武道館公演を開催。
Raphaelがミニアルバム「LILAC」で、Janne Da Arc がアルバム「Dearly」でそれぞれインディーズデビュー。
SEX MACHINEGUNSがシングル「HANABI-la大回転」でメジャーデビューし、hideが逝去。
黒夢がアルバム「CORKSCREW」をリリース、cali≠gariがミニアルバム「第3実験室」でインディーズデビューしました。
L'Arc-en-Cielがシングル「HONEY」「花葬」「浸食 〜lose control〜」3枚同時リリース。
MALICE MIZERが横浜アリーナ公演を開催、その後Gacktが失踪し事実上脱退となりました。
LUNA SEAがアルバム「SHINE」をリリースし、hideが生前温めていたニューバンドzilchのアルバム「3・2・1」がリリース。
GLAYがアルバム「pure soul」をリリースし、LUNA SEAが横浜スタジアム2DAYS公演「1998 REVIVE 真夏の野外」を開催。
SHAZNAが初の日本武道館公演を2DAYSにて開催し、PIERROTがシングル「クリア・スカイ」でメジャーデビュー。
Dir en greyがメジャー進出前に初の日本武道館公演を開催し、hideのアルバム「Ja,Zoo」がリリースしました。
また、La'cryma Christiが初の日本武道館公演を開催し、LUNA SEAが東京ドーム2DAYS公演「END OF PERIOD」を開催。
MUSIC STATION Special SUPER LIVE 98にLUNA SEA、GLAY、L'Arc-en-Cielが出演し、GLAYが「pure soul」にて第40回日本レコード大賞 ベストアルバム賞を、また「SOUL LOVE」にて第40回日本レコード大賞 優秀作品賞を受賞。
L'Arc-en-Cielが「HONEY」にて第40回日本レコード大賞 優秀作品賞を受賞。
そして、第49回NHK紅白歌合戦にLUNA SEA・GLAY・L'Arc-en-Cielが出場しました。

バブル景気に沸き立つメジャーシーンとインディーズシーン

CDの売上げがピークを迎えた1998年は、ヴィジュアル系シーンもバブル景気に沸いていました。
メジャーシーンではポストGLAY、ポストL'Arc-en-Cielを狙いソフトヴィジュアル系バンドが続々とデビュー。
また、インディーズシーンではヴィジュアル系によるインディーズレーベルの設立が相次いでいきました。
これらのレーベルからコテ系と呼ばれるバンドをメインにヴィジュアル系バンドのインディーズ作品が大量にリリースされていくことになりました。

ヴィジュアル系の新勢力!

この年に初のCD作品をリリースしたcali≠gariの台頭は、特筆すべきエポックメイキングな出来事だったと言えます。
彼らをきっかけとし、サブカル/アングラテイストを持ったバンドがシーンに増殖し始めました。
この流れは00年代に密室系、オサレ系(お洒落系)などと呼ばれたムーブメントを生み出す大きな引き金となったんです!

Penicillin- Romance [translation]

1998年1月15日に発売された6枚目のシングル。
イーストウエスト・ジャパンへのレコード会社移籍第1弾シングル。
このシングルから、再び重盛美晴がプロデューサーを担当しています。
インディーズ時代の未発表曲『ROMANCE』とは全くの別物。
オリコン最高4位、累計は自己最大90万枚の大ヒットを記録しました。

hide with Spread Beaver - ROCKET DIVE

1998年1月28日に発売されたhideのソロ8枚目、hide with Spread Beaver名義では1枚目となるシングル。
X JAPAN解散後初のソロシングルで、当時のX JAPAN解散にショックで落ち込むファン達へ向けた「クヨクヨせずに前を向いてロケットのように飛び出していこうぜ」というhideからのメッセージが込められています。
「一刻も早くファンの元へ届けたかった」というhideの言葉通り、X JAPANの最終公演「THE LAST LIVE」からわずか1ヶ月足らずで発売されました。

hideはこの「ROCKET DIVE」から次回作「ピンク スパイダー」「ever free」に渡るまでの一連の楽曲を3部作の繋がった楽曲として制作。
「ROCKET DIVE」には「若いうちは失敗を恐れずにどんどん世界へ飛び出して行こう」というメッセージが込められており、「ピンク スパイダー」には「でも飛び出した世の中はそんなに甘くはない」という「失敗と挫折」を歌った曲であり、「ever free」には「それでも人生は何度だってやり直せる、可能性を信じて生きて行こう」というメッセージが込められた楽曲であると生前語っていました。

SEX MACHINEGUNS - HANABI-la 大回転

1998年4月22日に発売発売されたメジャーデビューシングル。
歌謡曲といえばそうかもしれないが、ジャパメタという印象が強い楽曲。
マシンガンズの歌詞の中では比較的クールな部類で、あまりギターが前面に出てないせいか、全体的にダークな感じ。
落ち着いたヴァース、徐々にテンションを上げるブリッジ、一気にメロディもスピードも上がるコーラスという流れも良く、聴いてるこっちもテンション上がる1曲です!

Pierrot - クリア・スカイ

1998年9月10日に発売発売されたメジャーデビューシングル。
売り上げは、前作「Screen」の約11倍伸び、12万枚弱まで達しました。
これはPIERROTのシングルの中で3番目に高い売り上げとなっています。
テレビ朝日系全国ネット『今夜は帰して!!』エンディングテーマで、1998年10月3日にNHKの音楽番組『ポップジャム』に出演し演奏をしました。

本作発売の翌1999年7月7日に発売されたアルバム『FINALE』には、「クリア・スカイ (Album Version)」として収録され、シングル盤にはない歌詞や展開が追加される等の大胆な編曲が施されています。
転調が多く、イ長調のイントロから始まり、Aメロでいきなりハ長調に転調。
その後もBメロでハ短調、サビでロ長調、中盤でホ長調と頻繁に調が変化。
Bメロのギターの構成についてアイジは、「掛け合いあり・ハモリありという感じなので、ギター二人でやると絶対おもしろいと思います。」と述べていました。

1999年次世代を担うバンドが続々とメジャーデビュー!!

Dir en greyが、シングル「アクロの丘」「残-ZAN-」「ゆらめき」3枚同時リリースでメジャーデビュー。
黒夢が100会場全112公演に及ぶ「TOUR Many SEX Years vol.5 CORKSCREW A GO GO!」のツアーファイナル公演において、無期限活動停止を発表。
GLAYが「GLAY DOME TOUR “pure soul” 1999」を開催し、全国4ケ所15公演で75万人を動員しました。
また、PIERROTが初の日本武道館公演を開催、次いでROUAGEも初の日本武道館公演を開催。
Gacktがミニアルバム「Mizerable」でソロデビューし、Janne Da Arc がシングル「RED ZONE」で、LAREINEがシングル「fiançailles 〜フィアンサーユ〜」でそれぞれメジャーデビュー。
LUNA SEAが東京ビッグサイトスペシャルオープンステージにて「 [NEVER SOLD OUT] CAPACITY ∞」を開催、10万人を動員しました。
MALICE MIZERのKamiが逝去。
L'Arc-en-Cielがアルバム「ark」「ray」を同時リリースし、元MALICE MIZER、BY-SEXUAL、L'Arc-en-Cielのメンバーで結成されたバンドZIGZOがシングル「血と汗と涙の裏側のハッピー」でメジャーデビュー。
PIERROTがアルバム「FINALE」をリリース。
清春のニューバンドSADSがシングル「TOKYO」でメジャーデビュー。
L'Arc-en-Cielが野外ライブツアー「1999 GRAND CROSS TOUR」を開催、全国6ケ所12公演で65万人を動員。
‎Raphaelがシングル「花咲く命ある限り」でメジャーデビューし、Dir en greyがアルバム「GAUZE」をリリース。
GLAYが幕張メッセ駐車場特設ステージにて「GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催、日本音楽史上に残る20万人を動員。
富士急ハイランド・コニファーフォレストにて開催されたマリリン・マンソン主催のロックフェスティバル「BEAUTIFUL MONSTERS TOUR 1999」にBUCK-TICKとPIERROTが出演しました。
SADSがアルバム「SAD BLOOD ROCK'N'ROLL」を、GLAYがアルバム「HEAVY GAUGE」をそれぞれリリース。
Eins:VierとValentine D.C.が解散発表。
天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典にYOSHIKIとGLAYが出席し、LUNA SEAとGLAYによる東京ドーム公演「The Millennium Eve」が開催。
MUSIC STATION Special SUPER LIVE 99にGLAY、L'Arc-en-Ciel、SIAM SHADEが出演。
GLAYが「Winter,again」にて第41回日本レコード大賞を受賞し、L'Arc-en-Cielが「ark」「ray」にて第41回日本レコード大賞 ベストアルバム賞を受賞。
第50回NHK紅白歌合戦にGLAY、L'Arc-en-Cielが出場しました。

ヴィジュアル系ムーブメントが沈静化!

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