「日本から世界へ挑んだ名牝ダンスパートナー」
2016年12月9日 更新

「日本から世界へ挑んだ名牝ダンスパートナー」

日本に生まれ、4歳クラシックで開花した才女ダンスパートナーは、フランス、香港と世界を駆け巡りました。 そんなダンスパートナーの競走馬人生を振り返ります。

2,193 view
オークスを制し、普通であれば次の目標は秋のエリザベス女王杯(当時はまだ秋華賞が無く、当レースが牝馬3冠目に位置していた)となりますが、ダンスパートナーは一気に世界へと羽ばたくことになりました。
目指す先はフランスGⅠヴェルメイユ賞です。
「突然言われたので驚きましたが、健康で無事ならそれもいいかなと思った。僕にもいつか海外の競馬に挑戦してみたいという気持ちはありましたからね」
白井調教師
ダンスパートナーは7月26日にフランスに到着。前哨戦となる8月終わりのノネット賞まで現地のコリン・バブル厩舎に預けられました。
現地のスタッフとともに調教を開始したダンスパートナーでしたが、日本人スタッフは調教にタッチさせてもらえませんでした。
そんな中で迎えた前哨戦のノネット賞でしたがレースは4頭立てで行われ、結果はハナ差の2着。
当時、世界ではまったくといっていいほど評価されていなかった日本馬ですが、ダンスパートナーの競馬を見て、現地での日本馬に対する評価は大きく変わったといいます。
どんよりとした曇天の中、ロンシャン競馬場でおこなわれたヴェルメイユ賞(芝2400mGⅠ)ですが、「異国から来た天才少女」ダンスパートナーはこのレースで1番人気に支持されました。
大きな期待をうけ日本中の競馬ファンが見守ったこのレースですが、ダンスパートナーは馬群に包まれたまま武器である末脚を余した無念の6着に敗れました。

1995年ヴェルメイユ賞 - カーリング

帰国したダンスパートナーは、牝馬の既成路線であるエリザベス女王杯には進まず、菊花賞(京都競馬場 芝3000mGⅠ)挑戦という牡馬との勝負を選択しました。
その菊花賞でダンスパートナーはなんと1番人気となりましたが、レースの方はマヤノトップガンが優勝、ダンスパートナーは5着という結果に終わりました。

1995年菊花賞 - マヤノトップガン

オークス以降、勝ち星に見放されたダンスパートナーでしたが、勝ち癖をつけるため、年内最終のレースは有馬記念ではなく、比較的勝算の高い阪神牝馬特別(阪神競馬場 芝1600mGⅡ)に出走が決まりました。
しかしその阪神牝馬特別で、ダンスパートナーは6番人気サマニベッピンに敗れまさかの2着に終わります。

5歳シーズン

勝ち運に見放され続けた春

年が明け、心機一転、白星を狙うダンスパートナー陣営が選んだ1996年初戦はアメリカクラブジョッキーカップ(東京競馬場 芝2200mGⅡ)でした。
結果はカネツクロスの2着に終わり、続いて京都記念(京都競馬場 芝2200mGⅡ)に出走。
ここもテイエムジャンボの2着に敗れ、勝ち星から見放されるという長いトンネルはまだ続きます。
春3戦目となった産経大阪杯(阪神競馬場 芝2000mGⅡ)ではタイキブリザード、インターユニークらと接戦を繰り広げましたが0.1秒差の4着。
続く京阪杯(京都競馬場 芝2200mGⅢ)でようやく優勝し、これが実に8戦ぶりの勝ち星となりました。
その後も安田記念(東京競馬場 芝1600mGⅠ)、宝塚記念(阪神競馬場 芝2200mGⅠ)に出走しましたが、それぞれ6着、3着に終わり、5歳の春シーズンは6戦して1勝とダンスパートナーにとって不本意なものでした。

安田記念 1996年/トロットサンダー

1996年 第37回 宝塚記念(GI) マヤノトップガン(田原成貴)

秋は京都大賞典(京都競馬場 芝2400mGⅡ)から始動、結果は4着でしたがまずまずの手ごたえを感じ、昨年出走を見送ったエリザベス女王杯(京都競馬場 芝2200mGⅠ)に挑みます。
1番人気に支持されたエリザベス女王杯では苦しみながらも見事にGⅠ制覇!自身GⅠレース2勝目となりました。
47 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

出馬表決定!G1競馬2018【優駿牝馬(オークス)】みんなの『事前予想』で勝ち馬を当てろ!~過去データを振り返るクイズ付~

出馬表決定!G1競馬2018【優駿牝馬(オークス)】みんなの『事前予想』で勝ち馬を当てろ!~過去データを振り返るクイズ付~

日本のクラシック競走のひとつとされる【優駿牝馬(オークス)】。第79回を迎える2018年の日程は5月20日(日)!みんなの勝ち馬予想アンケートを見て、レースの参考にしてみて下さい!(クイズは第1回~第78回までの結果から出題)
G1競馬2017【オークス】あなたの1着予想はズバリどの馬!~過去データを振り返るクイズ付~

G1競馬2017【オークス】あなたの1着予想はズバリどの馬!~過去データを振り返るクイズ付~

日本のクラシック競走のひとつとされる【オークス】。第78回を迎える2017年の日程は5月21日(日)。2017年、歴史あるG1レース【オークス】で、最速のパフォーマンスを魅せる牝馬は!?
影をも踏ませぬ逃走劇!坂路の申し子『ミホノブルボン』

影をも踏ませぬ逃走劇!坂路の申し子『ミホノブルボン』

戸山調教師のスパルタ調教により『坂路の申し子』として皐月賞、日本ダービーを無敗で制したミホノブルボン。 その衝撃的な逃げ馬の伝説を振り返ります。
taketake | 3,499 view
「新 芦毛伝説 ビワハヤヒデ」

「新 芦毛伝説 ビワハヤヒデ」

芦毛の名馬ビワハヤヒデ。半弟にナリタブライアンがおり、常に比較され続けたビワハヤヒデは、15戦連続連対というあのシンザンに次ぐ大記録も持っています。そんなビワハヤヒデの軌跡を振り返ってみましょう。
taketake | 2,988 view
「柴田政人の悲願! ウイニングチケットが叶えた日本ダービー制覇の夢」

「柴田政人の悲願! ウイニングチケットが叶えた日本ダービー制覇の夢」

第60回東京優駿(日本ダービー)優勝馬「ウイニングチケット」。そのドラマティックな競走馬としての生き様に魅了されたファンは多い。記録よりも記憶に残る名馬「ウイニングチケット」を振り返ってみましょう。
taketake | 4,698 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト