ローリング・ストーンズを作った男“ブライアン・ジョーンズ”。彼はバツグンのファッションセンス同様に、天才的な閃きを持っていた!
2017年8月4日 更新

ローリング・ストーンズを作った男“ブライアン・ジョーンズ”。彼はバツグンのファッションセンス同様に、天才的な閃きを持っていた!

ローリング・ストーンズの名付け親であり、初代リーダーであったブライアン・ジョーンズ。初期のローリング・ストーンズにおいてはミックやキースよりも目を引く存在でした。素敵なのはファッション・センスだけではなく、天才的な閃きでサイケデリック期のローリング・ストーンズに花を添えています。

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The Rolling Stones - Get Off Of My Cloud - 1965

この頃のブライアン・ジョーンズがビジュアル的にも最もカッコいいかもしれませんね。これ以降は徐々に精神に変調をきたし、ドラッグに溺れていくことになります。

その原因は、バンド内での孤立化です。ミック・ジャガーとキース・リチャーズのコンビが曲を作るようになったことでブライアン・ジョーンズの求心力は急速に弱まってき、ローリング・ストーンズはミックとキースが取り仕切る事になったのです。

マルチプレイヤー

60年代半ばには、ドラッグの影響もあったのでしょうが、ブライアン・ジョーンズはライブに穴をあけるなどといった問題行動が多くなってきます。

その結果、バンドのリーダーシップだけではなく、あれほど素晴らしかったギターはキース・リチャーズに、ブルース・ハープはミック・ジャガーにそれぞれ主導権を奪われてしまいます。

そこでブライアン・ジョーンズはギター以外の楽器で存在感を示すようになります。元々マルチプレイヤーだったと言われていますが、初めて触った楽器でも数時間で弾きこなせたそうです。
こうして1960年代半ばからローリング・ストーンズは様々な楽器を導入するようになり、サイケデリック期のローリング・ストーンズにブライアン・ジョーンズは花を添えました。

それにしても、天才的な閃きとでも言うのでしょうか、この頃の曲を聴くとブライアン・ジョーンズの存在感は際立っています。
この時期を代表するローリング・ストーンズの代表曲である「黒くぬれ」のシタール、「アンダー・マイ・サム」のマリンバ、「レディ・ジェーン」のダルシマーなど印象に残るものばかりです。

the rolling stones - lady jane - stereo edit

それにしても、身のこなしというか、着こなしというか、ブライアン・ジョーンズのファッション・センスはバツグンですね。
だから、音楽のセンスも良いのかもしれません。
誰よりもブルースが好きだったにも関わらず、多彩な楽器を操ってブルース一辺倒だったバンドの音楽性を幅広いものに変えたのはブライアン・ジョーンズでした。何とも皮肉ですが、バンド内ではそうするしかなかったのでしょう。

更に皮肉なことに、サイケデリック期を脱し、ブライアン・ジョーンズが望んでいたブルースやロックンロールにローリング・ストーンズが原点回帰した時に彼は脱退してしまいます。

正確には解雇ですね。麻薬所持による度重なる逮捕に加え、その頃ブライアン・ジョーンズはスタジオにも余り姿を見せなくなっており、とても演奏できる状態ではなかったのだそうです。

ローリング・ストーンズ脱退

ブライアン・ジョーンズは1969年6月8日にローリング・ストーンズを解雇され、その後1枚のみ「ジャジューカ」というアルバムをリリースしています。
ブライアン・ジョ-ンズ・プレゼンツ・ザ・パイプス・オブ...

ブライアン・ジョ-ンズ・プレゼンツ・ザ・パイプス・オブ・パン・アット・ジャジュ-カ

1971年リリース

1.55 - 55
2.戦いの時
3.テイク・ミー・ウィズ・ユー
4.幻惑の瞳
5.コーリング・アウト
6.幻惑の時
その延々続く呪術的なトランスミュージックのパワーは凄まじい。
ロックとは全く別次元のパワー。
繰り返されるリズム、フレーズの渦に飲み込まれ、意識がそれに侵蝕されてしまう感覚。
このアルバムはブライアン・ジョーンズの死後の1971年にリリースされていますが、音源は1968年にブライアン・ジョーンズがモロッコに赴いた際にモロッコの民族音楽を現地で録音し、それにスタジオ処理を加えて完成させたものです。

尚、現在では権利の問題等があり「ブライアン・ジョ-ンズ・プレゼンツ・ザ・パイプス・オブ・パン・アット・ジャジュ-カ」というタイトルに変更されています。

Brian Jones at Joujouka (art by William S. Burroughs)

ブルースとは似ても似つかない。かと言ってロックでもない。混沌としていて瞑想的で、こうした音楽こそが当時のブライアン・ジョーンズの心情を表しており、また落ち着かせるものだったように思いえます。
ポップなものではありませんし、奇妙ですが、魅力的ではあります。
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