自分の”声”までも楽器の一部にしてしまった米国のジャズピアニスト、兼、歌手のナット・キング・コールを偲ぶ
2017年4月28日 更新

自分の”声”までも楽器の一部にしてしまった米国のジャズピアニスト、兼、歌手のナット・キング・コールを偲ぶ

読者の方々はあまりご存知ないかもしれないが、ナット・キング・コール(Nat King Cole)は1940~60年代に米国で大変人気があり、活躍したポピュラー・ジャズシンガーだった。20世紀を代表するスーパースターの一人だといっても過言ではない。彼の音楽スタイルはピアノを弾きながらクラブや、バーで歌うタイプのシンガーの一人である。今で言うなら、ビリー・ジョエルと音楽スタイルが似ている。しかしナット・キング・コールのその魅力の一つに、その”声”を挙げることができる。お世辞にも彼の声は美声であるとは言えないが、一言で言うならば、彼はその”声”までも楽器の一部にしてしまったことだろう。そんな彼の珠玉の名曲の数々を紹介しよう!

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Nat King Cole - Smile(1954)

「Smile」は、1936年のチャールズ・チャップリンの映画『モダン・タイムス』で使用されたインストゥメンタルのテーマ曲で、チャップリンが作曲した曲。マイケル・ジャクソンなど多くのアーティストにカバーされている。
1954年にジョン・ターナーとジェフリー・パーソンズが歌詞とタイトルを加えた。歌詞では、歌手が聴衆に対して笑っている限りは明るい明日が常にあると元気付けている。「スマイル」はチャップリンの映画で使用されて以来、スタンダードとなった。この歌は最初、ナット・キング・コールによって歌われ、1954年にチャートに入った。

Nat King Cole - Route 66(1956)

「ルート66」((Get Your Kicks On) Route 66)は、ボビー・トゥループ(英語版)が1946年に作詞・作曲したアメリカ合衆国のポピュラー・ソングである。ジャズのスタンダード曲として名高い。
トゥループはジャズ・ピアニストで小粋な弾き語りも得意とし、ソングライターとして、また著名な女性ジャズ歌手ジュリー・ロンドンの夫としても知られる。この曲は代表作で、愛車でのドライブ中に思い付き、同乗していた友人と早速合唱してみて、いたく気に入ったことから世に出たという。
タイトルとなっている「ルート66」は、イリノイ州シカゴとカリフォルニア州サンタモニカ(ロサンゼルス郊外)を結ぶ国道66号線のことである。歌詞はこの道を走っての旅へ誘う内容で、途中には沿線各地の地名が登場する。シンプルなリフを基調とする平易で親しみやすい曲調と、観光案内的で軽快かつコミカルな歌詞とが相まって広く好まれ、1956年ナット・キング・コールの歌唱によるヒット以来、半世紀以上に渡って歌い継がれている。

The Nat King Cole Trio - It's Only a Paper Moon(1956)

「It's Only a Paper Moon」はハロルド・アーレンが作曲し1933年に出版した流行歌。作詞はエドガー・イップ・ハーバーグとビリー・ロウズによる。もともとブロードウェイで上演されたコニー・アイランドを舞台とした「グレイト・マグー(でっかいパイ、もしくは大馬鹿者、の意)」というタイトルの演劇のために作られた曲だった。その後、同じ1933年に映画『当って砕けろ(Take a Chance)』の中で使用された。この時にポール・ホワイトマンのオーケストラが演奏し、ペギー・ヒーリーが歌った録音がヒットした。しかし、第二次世界大戦末期にエラ・フィッツジェラルドやナット・キング・コール・トリオが録音したヴァージョンが有名になったことで、この曲の評価は不動のものとなった。多くのジャズ演奏家達の即興演奏のための格好の材料となった。

Nat King Cole sings "When I Fall in Love"(1956)

「When I Fall in Love」は、ヴィクター・ヤング(音楽)とエドワード・ヘイマン(歌詞)が作曲したポピュラーソング。それは映画『零号作戦』で初めて使用された。この歌はスタンダードになり、多くのアーティストが録音したが、最初のヒット・ヴァージョンはドリス・デイによるものである。ドリス・デイの録音は1952年6月5日に制作された。この歌はビルボードチャート20位に達したが、カヴァーヴァージョンが1956年12月28日にナット・キング・コールにより録音された。このシングルはイギリスで1957年に発売され、全英シングルチャート2位に達した。

Nat King Cole - Stardust(1957)

『スターダスト(Stardust)』は、1927年に作曲されたアメリカのポピュラーソング。歌詞は4年後に付けられた。

これまでに、ルイ・アームストロング、グレン・ミラー、フランク・シナトラ、ビリー・ホリディなど、数多くのアーティストによってカバーされている。ジャズのスタンダード・ナンバーとしても知られる。
中でも、ナット・キング・コールによるカバーは今日におけるスタンダードの一つとなっている。

Nat King Cole - L-O-V-E (Japanese)(1964)

『L-O-V-E(LOVE/ラヴ)』は、アメリカのナット・キング・コールによる1965年のヒット曲。

同曲が収録されたアルバム「L-O-V-E」は、1965年2月に肺ガンで亡くなる直前にリリースされた。

好きなタバコがあだとなったのか??

コールは、1日にタバコを3箱も吸うヘビースモーカーだったことは有名だ。彼はタバコが声を低音にすると信じていたという。

だが、彼の信心とは裏腹に肺を蝕んでいたに違いない。そしてついには歌手としてまだ絶頂時の1965年2月15日、サンタモニカの病院で肺ガンにより逝去。この時、娘のナタリー・コール(後に歌手となる)はまだ6歳前後だったという。

タバコは百害あって一利なしですよ!!
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